政争の具・・・

 

PC Watchの記事に、 米産業安全保障局、中国Huaweiを輸出規制対象リストに追加 てのがありました。

 

米産業安全保障局(Bureau of Industry and Security、以下BIS)は、5月16日より中国Huawei Technologiesとその関連企業を、エンティティリストに追加したことを公開したそうです。記事によると・・・

 

本件のHuawei製品への影響としては、スマートフォン/タブレットなどのAndroid端末では、OSそのものについてはオープンソースのため継続利用できるものの、YouTubeなどのGoogle関連サービス、Google PlayストアやGoogle Play開発者サービスといった基本部分が今後の製品で利用できないため、中国国外市場への影響は大きい。なお、中国国内では以前からGoogle製サービスやPlayストアなどは利用できないため、中国国内市場への影響は限定的とみられる。
PCやサーバー関連製品については、基幹部品であるx86 CPUを製造するIntelおよびAMD、Windows OSを開発するMicrosoftが米国企業であり、それぞれが輸出規制を遵守した場合、事業継続は難しくなることが予測される。

 

だそうです。この手のやり口はトランプさんお得意ですね。最近では去年 ZTE への制裁で同様のことがありました。SoCにクアルコムのチップを採用していたZTEはクアルコムのチップの輸出を止められてしまい、スマホの生産が全面的にストップして、廃業の危機に追い込まれたことは記憶に新しいところです。

 

結局、トランプ政権は罰金支払と経営陣の刷新などを条件に制裁解除に動いたわけですが、今回の件も同様の形で決着が着くのではないかと思います。

 

HUAWEIへの制裁は、当然ながらHUAWEI側にも大打撃となりますが、HUAWEIに部品を供給している世界中のメーカーにも大打撃となります。アメリカのクアルコムやIntelなどの半導体企業などは、年間100億ドル(1兆1千億円)もの製品をHUAWEIに納入しています。

 

また、アメリカだけでなく日本の京セラ、村田製作所、住友電気工業を含む日本企業の電子部品も去年だけで、約66億ドル(約7200億円)も売っており、こちらも影響は計り知れません。

こういった影響が世界中に広まっていくわけですから、単純に米中の問題だけでは済まないわけです。

 

ですので、今回もトランプさんと習近平さんのトップ会談で何らかの落とし所を探るのではないかと思います。ただ、怖いのは習近平さんがこのままおとなしくしてくれればいいのですが、トランプさんと同じにように逆制裁を仕掛けてくると状況はかなり悪化する可能性があり、そのあたりは予断を許さない状況だとは思いますね。

 

今や、IT機器は一国の力だけでは成し得ない商品となっていますし、世界中へ影響が波及していきますので、早急に事態の沈静化を図っていただきたものです。