最近お客様からも友人・知人からも「いわゆる格安SIMと呼ばれているものに興味はあるけど実際どうなの?」的なご相談をよくいただきますので、ここで改めて格安SIMについて整理してみたいと思います。

 

まず、以前のブログにも書きましたが「格安SIM」と一般に言われているものには次の2通りがあります。

 

・ キャリアのサブブランド(ワイモバイル・UQモバイル)

・ MVNO

 

キャリアのサブブランドというのはワイモバイルUQモバイルの2社なのですが、ワイモバイルはソフトバンク傘下の子会社で、UQモバイルはau(KDDI)の子会社です。いわばキャリアの息の掛かったブランドですので、純粋なMVNOとは違うということをご理解ください。

 

もう一つのMVNOはその名の通り、Mobile Vurtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)ですので、キャリアから回線を借りて営業している業者のことです。キャリアから回線を卸してもらって、それを売っているわけですが、キャリアごとに卸価格が違うんです。

 

現在はドコモの卸価格が圧倒的に安いので、基本的に殆どのMVNOはドコモ回線を使っています。一部、マイネオ(au)や日本通信(ソフトバンク)などドコモ以外から回線を借りて営業している業者もいますが、殆どのMVNOはドコモ回線だと思ってください。

 

で、MVNOの他にMVNEというものが存在します。MVNE(Mobile Virtual Network Enabler)「仮想移動体サービス提供者」のことで、「MVNOを始めたいなぁ」と思っている業者に、「じゃぁウチがいろいろ用意しまっせ!」という業者向けの卸しサービスみたいな業者のことです。

 

MVNOでもありMVNEでもある業者も存在し、OCNモバイルONEのNTTコミュニケーションズやIIJmioのインターネットイニシアティブのような業者がそれに当たります。つまりMVNOの元締めみたいな感じですね。当然規模的には大きくなります。

 

さて、キャリアのサブブランド(ワイモバイル・UQモバイル)とMVNOは違うということだけはご理解いただけたと思いますが、じゃあ何が違うのかというと、回線とサービスが違います

 

キャリアから借りている回線と、キャリアそのものの回線では速度が圧倒的に違うんです。

MVNOの回線の場合、大体が混雑時(お昼時やピークの22時前後等)には極端に速度が低下するのですが、サブブランドには殆どそれがありません。

 

それとMVNOの場合、購入は大手量販店店頭や通販での購入が主となりますが、ワイモバイルやUQモバイルは積極的に独自店舗展開をしているので、いわゆるドコモショップのように端末故障時や不具合時などに駆け込みやすいということがあります。

 

なので、回線速度やサービスを重視する方はサブブランドのご利用をお薦めします。基本的にキャリア以外をご利用になったことがない方が「格安SIM」をご利用になるのであれば、最初はサブブランドのご利用をお薦めしてます。

 

では、MVNOはどういう人が利用するのがいいのかというと基本的に以下の点を満たす人が利用に適しているといえます。

 

・ 通話しない人

・ Wi-Fi環境が整っている人(4Gをそんなに使わない人)

・ 故障時の代替機の用意や店舗での対応などのサービスを求めない人

 

MVNOの場合、通話は基本的に完全従量課金です。キャリアの完全カケホーダイプランみたいなものは無いので、通話が多い人(通話料が月額3,000円をゆうに超える人)はMVNOには不向きです。

 

それとMVNOは通信は基本的に安いのですが、自宅や会社にWi-Fi環境が整っていて、積極的にデータオフロードできる方のほうがよりMVNOの利用の利点を享受しやすいですね。

 

もちろん通信料を安くしたいという方にも向いているのですが、前述の通り、混雑時などはかなり回線速度の低下が著しいので、動画サイトを頻繁に見たり、音楽のストリーミングを積極的に利用する方には厳しいかもしれません。

 

具体的利用例の人物像を想像してみると、例えば、通話はほとんどしないけど、LINEやYoutubeや音楽のストリーミングはメチャクチャ使うというような女子高生がいたとしましょう。

 

通話しないというMVNOの利用条件には合致してますが、Youtubeや音楽のストリーミングを積極的に利用する場合、混雑時の速度低下を我慢できるかどうかが鍵だと思います。

恐らくそれは我慢できないと思うので、MVNOではなくワイモバイルやUQモバイルの利用が適していると思います。

 

もう一つの例として、通話はほとんどせずに社内の連絡やお客様からの着信が多く、あとはメールとメッセンジャーとグループウェアの利用が主だというビジネスマンがいたとしましょう。

 

この場合、通話はほとんどしないですし、会社にはWi-Fi環境も整っているでしょう。通信に関しても混雑時でも問題が出そうな使い方ではないので、こういった場合はMVNOへの移行が最も適している例といえます。

 

MVNOに関しては、全てをスマホで賄う人には向いていないと思います。スマホの利用は外出時のみで、他の時間はパソコンを使う人などはMVNOの利用に適しています。

 

それと多くの方の場合、MVNOではなくキャリアのサブブランドであれば、特にキャリアとの違いを意識すること無く、無理なくスマホ料金を下げていただけると思うので、格安SIM初心者の方には総じてオススメできます。

 

ご自分のスマホのご利用の仕方をよく精査した上で、最適な回線を選んでみてくださいね。