日本国憲法の第25条では、「生存権」として「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と「最低限度の生活」が保障されていることをご存じだろうか。
では、「最低限度の生活」をするには、毎月いくら必要なのだろうか。最低限度なので、当然贅沢な食事や遊行費などは除かれるが、もっとも分かりやすいのが、実は「生活保護費」と呼ばれるものだ。
生活保護を受けている人たちが毎月支給される金額は、憲法第25条が保障する「生存権」に基づいている。その計算方法は、基本的に「生活扶助費」と「住宅扶助費」の合計で、それに母子家庭であれば「母子加算」子どもがいれば、「児童養育加算」というのが加わる。多少なりとも収入があれば、それを差し引いたり、住んでいる家賃も異なれば金額が変ってくるので、一概にいくらとは言えないが、おおむね、単身者であれば、月額10万円〜13万円、夫婦2人世帯では15万円〜18万円、母子家庭は約19万円、子供がいる4人家族であれば30万円近く支給される世帯もある。これに加えて、税金は非課税、医療費は無料、交通費なども補助されるなどの特典もついてくる。
しかし、こうした「最低限度の生活」を保障していると言いながら、申請から受給までは、意外にハードルが高い。まず、申請時に福祉事務所から質問攻めに合い、資産として売れる物があれば、すべて売ることが前提だ。また、申請にあたって行われる親やきょうだい、親族への扶養照会は、生活困窮者にとって心理的ハードルも高く、生活保護の申請に消極的になる要因のひとつとも言える。さらに生活保護費の受給が決定してからも、受給者は経済的自立に向けて、ケースワーカーや社会福祉士などの力を借りながら、就労可能かどうかも含め、抱えている問題を解決する努力が求められる。
「自分たちの税金が使われているのだから、厳しいのは当然だ」という意見もあるだろう。しかし、国の予算は税金だけではない。むしろ税金を使わずとも通貨発行だけで可能なことは、通貨発行の仕組みが分かれば簡単に理解できることだ。
はっきり言って生活保護費以下で苦しい生活をしている日本人は受給者以外にもかなりいる、祖父の時代は、「貧しくても国の世話にはなりたくない」と頑張ってきた。いわば日本人は誇りをもった我慢強い民族なのだ。
自治体の税務課へ行けば、個々人の毎年の所得は把握できている。したがって、生活保護費は、もう申請制度をやめて、最低限度の生活に見合う金額をそうした人たちに送金すればいいだけのことだ。それも日本人限定で。そうすることで、無駄な保護費や無駄な人件費も削減することができるのではないか。