国家予算で言うところの「予備費」とは、予見し難い予算の不足に充てるための経費で、予算成立後において、歳出に計上された既定経費が足りなくなったり、新たに経費が必要となった場合、その不足に充てるため、内閣の責任において支出できるものだ。別の言い方をすると、国会では、あらかじめ使途を定めずに、内閣の判断に任せる形で議決したのが、「予備費」である。
日本経済新聞によると、コロナ予備費12兆円の内、使途が確認出来たのはわずかに6.5%の8,000億円強にとどまり、9割以上の資金は具体的にどう使われたのか追いきれていないとのことだ。コロナ予備費は新型コロナウイルスに対する緊急予算として組まれたもので、国会審議を通さずに素早く使える資金として用意されていたものだ。
12兆円と言えば、国民一人当たり10万円、4人家族なら40万円を配れる金額だ。逆に10万円の税金でさえ払うのに必死になって働いている人もいる。その10万円が払えなければ督促状や延滞金、仕舞には差押えが待っているというのに、その使い道がわからないとは余りにも杜撰で国民を馬鹿にした話ではないか。
これをそのまま国民が許すのなら、国民は一人10万円以下の税金を払わなくても許されることになるのと同じではないのか。