晴耕雨読の生活を始めて数年になる。北海道の夏は短いことから農業シーズンにはほとんど畑やハウスの仕事だ。しかし、専業農家ではないので、せいぜい自家用の野菜専門なのだが、それでさえも「種苗法」や「TPP」の時には腹立たしく感じたものだ。

 日本全体の食糧自給率は低いが北海道だけでは200%を超えている。いわば日本の食糧基地だ。自分は元々パソコン関係の仕事をしていたので、農業にはまったく無知だったが亡くなった義理の父親がかつては酪農業を営み、農業の大ベテランだったことから生前いろいろなことを教えられた。

 その中でも特に目から鱗だったのが「土づくりこそが農業の基本」ということだ。本当にいい土壌にしたければ1年や2年ではできない。ペーハーを弱酸性に整え、微生物も適度に育つには数年かかる。

 かつて、この日本にはどこの家にも大小問わず自家用の野菜が作れる畑があった。いわゆる兼業農家こそが日本という国を支えてきたのではないか。しかし、今はどうだ。穀物をはじめ、農薬、肥料、家畜の飼料に至るまでほとんどが輸入だ。
 今こそ、老若男女を問わず日本人が日本の食糧を考えなければならない時代はない。なぜなら食糧自給率を高めることが自国の防衛力にもつながるからだ。若者たちよ一次産業に目を向けてくれ、北海道には土地はいっぱいあるぞ。