脱原発か原発再稼働かで盛り上がった東京都知事選であったが、私も個人的には即廃止とまではいかなくても、原発は無くす方法で進めて欲しいと願う一人である。
脱原発が争点にさえならなかったという意見もあるが、それは、脱原発派が原発に代わるべき代替案を明確に示せなかったことにもよるだろう。太陽光発電や風力にしても決して安定的なベース電源にはなりえない。では、何が一番いいのか。
私が代替案として一番有望視しているのが「地熱発電」である。日本は地震大国でもあるが、世界でも有数の火山大国であり日本中を火山帯が走っている。また地熱発電設備の技術も世界のトップレベルで、世界の地熱発電設備容量の7割を日本のメーカー3社が占めていることは意外と知られていない。また、資源を輸入に頼らずに発電を行えるメリットも大きいだろう。
ところが、こうした話題になると必ず語られるのがコストの問題であったり、観光地との共生であったりする。しかし、一度事故が発生すると天井知らずのコストになる原発を考えれば、地熱発電のコストなど知れている。また、多くの地熱発電所ができれば掘削技術も進みコストも下がるであろう。さらには排水や余熱をロードヒーティングで雪対策にも活かすことが出来るなど、地域に還元できるメリットも多くある。
原発事故や今回の大雪で被災された関東地域においてはなおのこと、この「地熱発電」は次世代のベース電源候補のひとつとして再考される価値があるような気がするのだが。