以前投稿した記事も見てください~~!!

 

 

 

 

なぜ韓国では冬でもアイスアメリカーノを飲むのか?

 

寒い冬でも韓国の街では、氷がたっぷり入った「アイスアメリカーノ(略して"アア")」を片手に歩く人々をよく見かけます。

10年ほど前に「凍え死んでもアイスアメリカーノだけ飲む」という意味の「オルジュクア(얼죽아)」という言葉が登場したときは、一時的な流行かと思われましたが、今や韓国では「アア」が主流、ホットコーヒーは少数派になりました。

韓国スターバックスによると、2014年まで冷たい飲み物の販売比率は50%未満でしたが、2015年に初めて過半数を超え、現在では全体の77%を占めています。つまり、韓国では冬でもアメリカーノが10杯売れるうち7~8杯がアイスということになります。

では、なぜ韓国ではここまで「オルジュクア」文化が広がったのでしょうか?

 

写真=네이버블로그  do131012

 

 

韓国は「コーヒー共和国」?

 

韓国の国民1人当たりの年間コーヒー消費量は405杯
これは世界平均(152杯)の約2.7倍にもなります。

 

しかし、アメリカやヨーロッパのコーヒー文化とは少し異なります。
アメリカでもアイスコーヒーは人気ですが、ホットコーヒーが売上の72%を占めています。
また、ヨーロッパではエスプレッソを「氷どころか水で薄めることすら嫌がる」文化が根付いています。

 

そんな中、韓国ではアイスアメリカーノが「非公式な国民飲料」とまで言われています。
フランスのAFP通信は、「オルジュクア」をそのまま「Eol-juka」と表現し、今後オックスフォードやメリアム・ウェブスター、コリンズといった権威ある英語辞典にも登録される可能性があると報じています。

 

では、韓国でこれほどまでに「アア文化」が浸透した理由とは?

 

写真=뉴스1

 

 

韓国人がアイスアメリカーノを好む理由

 

写真=なぜ韓国では冬でもアイスアメリカーノを飲むのか?

 

① 「熱くないからすぐに飲める」

 

韓国ではコーヒーが「社交のための飲み物」ではなく、「仕事や勉強中に集中力を上げるための機能性飲料」とみなされることが多いです。

 

そのため、「すぐにカフェインを摂取して目を覚ましたい」というニーズに、冷たいアメリカーノは最適。
歩きながらスマホを見たり、仕事をしながら飲んだりする
「マルチタスク」に向いている
というわけです。

AFP通信も、「オルジュクア文化は、韓国の"パリパリ(빨리빨리)=速さを重視する文化"に起因している」と分析しています。

 

 

② 「ホットコーヒーより飲みやすい」

 

ホットコーヒーは温度管理が必要で、熱すぎると火傷するし、冷めると苦味が増してしまいます。

一方、アイスアメリカーノは「最初から最後まで均一な味を楽しめる」というメリットがあります。
また、氷が溶けることで味が薄まるため、最後まで飲みやすいという利点も。

 

さらに、カフェ側にとっても、「アイスアメリカーノの方が品質管理が楽」という側面があります。
ホットコーヒーは豆の品質や淹れ方によって味が大きく左右されますが、アイスアメリカーノは多少品質が落ちても満足度が大きく変わらないため、販売しやすいのです。

 

 

③ 「食文化との相性がいい」

 

韓国では辛くて刺激的な食事が多いため、さっぱりしたアイスアメリカーノが後味をリセットするのにぴったり
最近では、居酒屋で若者たちが辛くて塩辛いおつまみとアイスアメリカーノを組み合わせるのも一般的な光景になっています。

 

 

④ 「韓国の生活環境との関係」

 

韓国では、日本のように屋外よりもオフィスや学習塾、カフェなどの「狭い室内」で過ごす時間が長いと言われています。
そのため、冬でもわざわざ温かい飲み物を求めるより、むしろ「イライラを冷ますための冷たい飲み物」が求められるのかもしれません。

また、「季節や場所にとらわれず、自分の好みを貫きたい」というMZ世代の価値観も、「オルジュクア」を広める要因の一つになっています。

 

 

1リットル級「アア」も登場!?

 

この「オルジュクア文化」の影響で、韓国のカフェチェーンやコンビニでは、大容量のアイスアメリカーノの販売競争が激化しています。

スターバックス、メガコーヒー、ペクダバン(백다방)に続き、コンポーズコーヒー(Compose Coffee)は、2023年の厳冬期に「ほぼ1リットル」のアイスアメリカーノ専用商品を発売しました。

 

「病院で点滴を受けるようにストローで"アア"を吸い続ける"オルジュクア"たちが街を歩いている」と表現されるほど、韓国では「アア」が当たり前の存在になっています。

 

 

写真=なぜ韓国では冬でもアイスアメリカーノを飲むのか?

 

 

まとめ:韓国で「オルジュクア」が根付いた理由

 

すぐに飲める(カフェイン摂取の即効性)
ホットより管理が楽で、味が一定
韓国の食文化(辛い食事との相性)
韓国の生活環境(狭い室内で過ごす時間が長い)
MZ世代の「自分の好みを貫く文化」

 

これらの理由が組み合わさり、韓国では「凍え死んでもアイスアメリカーノ」=「オルジュクア」という独特の文化が形成されました。

 

 

次に韓国を訪れる機会があれば、真冬の寒さの中で「アア」を楽しむ人々をぜひ観察してみてください!