〈Pー1 腎移植への挑戦〉

 

ちょうど、

失意や諦めということばが、

夫の横顔の陰りと、

重なり始めていたころ、

生体肝移植手術後一年の検診が、

ありました。

 

主治医のO医師は、

「経過は非常に順調です。

まだ若いんだから、社会復帰できるね」

と言ったあと、

画面のデータを見ながら、

なんと「腎移植もありかな」

と、つぶやいたのです。

 

肝移植後一年経って、

ふと口をついて出た、

医師の言葉が後押しとなり、

私は、その日以降、

「夫に腎移植をさせてあげたい」

と、強く思うようになりました。

 

「せっかく、あんなにつらい、

地獄の日々を生き抜いて、

退院できて、ここまで回復したのに、

シーシュポスの岩を、

二つも転がし続ける人生で、

終わらせたくない」

「ここまで培ってきた、

知見やノウハウを生かして、

もう一度、再起してほしい。

なんとか助けたい」と。

 

 

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