〈Oー6 シーシュポスの岩〉

 

こう着状態が続く中、

私は、

人工透析を受ける夫を思うとき、

こんなことを、

イメージするようになりました。

 

「シーシュポスの岩」という、

ギリシャ神話があります。

 

「ゼウスの神が、

シーシュポスに科した刑罰は、

休みなく大きな岩を転がして、

山の頂きまで運び上げる、

というもので、

ひとたび、山頂まで到達すると、

岩は、それ自体の重さで、

元のところに、転がり落ちてしまう。

その作業を、永久に続けさせられる」

 

希望の無い、無益な労働ほど、

恐ろしい懲罰はない、という神話です。

 

私の中で、

シーシュポスの岩は、

人工透析を生涯続ける夫と、

重なりました。

 

しかも、夫は前年に、

肝移植手術を受けていますから、

「人工透析を続けながら、

肝移植用の免疫抑制剤を、

生涯、飲み続けなければならない」

という、

もう一つ別の岩も、与えられています。

 

 

にほんブログ村 病気ブログへ
にほんブログ村


にほんブログ村

にほんブログ村 病気ブログ 腎不全へ
にほんブログ村


にほんブログ村