〈Nー4 苛酷な人工透析生活〉

 

透析クリニックに行くと、

透析歴の長い患者にも、

会うことになります。

 

手首が、

コブのように腫れ上がった人。

シャントが駄目になり、

次々、場所を変えて、

シャント造営をしている人。

長期間の透析により、

全身が、どす黒い皮膚になっている人。

重度の糖尿病で、

足指の壊死が始まり、

看護師に足指を洗ってもらっている人。

 

…一見して分かる、

人工透析生活の爪痕が、

新入りの夫には、

実に、生々しかったようです。

 

夫が退院して、

初めてがく然としたのが、

人工透析を続けるために必須の、

水分制限の苛酷さです。

 

週3回の人工透析により、

それまで少量出ていた尿も、

無尿になってしまいました。

水分摂取を、いかにして抑えるか…。

入った水の量と、除水量に、

ズレがあると、

その分が、持ち越され、

ツケが確実に、

次の透析に、回ってくるのです。

 

自分自身が、

仮に人工透析を拒否したなら、

たちまち、毒素にやられ、

死んでしまうことを、承知しつつも、

私たちは、

次第にやりきれなさを、

感じ始めていました。

 

 

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