〈Nー2 苛酷な人工透析生活〉
夫の退院後3回目の検診は、
一か月ぶり。
夫の様子を見たO医師は、
驚いた声で、
「えーっ、こんなに良くなったの?
おい、見ろよ!別人みたいだ」
と、看護師さんに声を掛け、
大騒ぎです。
「よっぽど、
日ごろの行いがいいのかな」
と、弾んだ声で、話し掛けてきます。
「日ごろの行いが良かったら、
こんな病気になっていません」
と、夫もニコニコして答えます。
「何度も、死にかけたからなあ」
と、感慨深げに言い、
「『命を助けてもらって』と、
感謝されることはあるけど、
結局、病気が再発したり、
悪化したりして、駄目になってしまう。
仕事が出来るほど、改善する人は、
なかなかいないんだよね」
と、感心しきりです。