〈Jー8 悪夢の細菌感染〉
その後、私は、
神仏に祈り続けました。
とにかく、夫の最大の危機だと
感じたのです。
「命が危ない。
どうか、助けてください!」と。
夫の命が、この世にとどまるか、
あの世に旅立ってしまうか、
まさに、
「神のみぞ知る」状態でした。
その日の夜、9時過ぎに、
大学病院の移植医から、
電話が入りました。
「ご主人は、夜になって、
ICUに再び運ばれましたが、
細菌感染していて、危険な状態です。
療養中のお母さんは、来ないでください。
娘さんが、至急来てください」
…その急報に対して、
妙に冷静な自分がいました。
「危険?
生命の危機?
当たり前でしょ。
遅すぎたのだから!」