〈Jー5 悪夢の細菌感染〉
私が、もっと騒げばよかったのかも
しれません。
けれども、
ずっと夫を診ている、
病院スタッフのほうが、
正しい見立てができると、
信頼している自分がいて、
「なぜ、肝移植に関わった医師が、
一人も来ないのか。至急、診てほしい」
と要望する自分を、抑えていたのです。
また、
「ドレーンのお掃除をしたとき、
細菌が入ったのだと思う」
と、私に言った看護師さんが、
そのことを、
きちんと報告してくれると、
思っていたのです。
…でも、報告はありませんでした。
そもそも、
「ドレーンのお掃除によって、
感染したと思う」と言う、
若い看護師の言葉は、
この大学病院の看護教育、
あるいは、患者情報のいい加減さを、
露呈するものです。