〈Hー2 生体肝移植実施〉
平成26年、4月28日。
私は、朝から、
浣腸の液剤を入れられました。
絶食に加え、
徹底的に、体内を空っぽにする作戦。
そこへ、娘たちが到着しました。
まず、私のベッドに来て、
エールを送ってくれました。
二人は、
「父を手術室まで見送りたい」
と言うので、
「絶対に、生きてまた会おうね」
との、夫への伝言を、頼みました。
車椅子に乗って、
手術室に到着。
ストレッチャーに乗せられた私に、
手術専門の看護師さんが、
「横向きになってください。
ちょっと冷たいので、ごめんなさいね」
と、優しく言って、
背中に麻酔を打ったようです。
そこから、記憶が途絶えています。
「終わりましたよ。
起きてください」
と、声を掛けられたのが、
新たな記憶の再開です。