アプトいちしろ駅から、
長島ダム駅までの区間は、
歯形レールの上を走るだけあって、
ガッタン、ガッタンと、
一段ずつ登っていく様子が、
車内にも、響き渡ります。
長島ダム駅に到着すると、
アプト式電気機関車は、切り離されます。
連結する作業、
切り離す作業、
その間の停車時間、
…それらすべてが、「効率」という、
現代最強の尺度から離れていて、
なんとも心地良い身体感覚を、
呼び起こしてくれます。
車掌くんはと言うと、
停車時間が長い駅では、
駅のトイレに乗客がいないかを、
発車直前に、確認しにダッシュ!
列車に戻ると、車掌くんの次なる仕事は、
無人駅から乗車した人への対応。
車内で、薄い複写用紙に書き込みをして、
乗客に手渡し、
現金で切符の精算をします。
まさに、八面六臂の活躍です!
それにしても、
長島ダムは、澄んだ印象をもたらす、
不思議なダムでした。
長島ダムは、人工的な建造物なのに、
周辺の景色に溶け込み、
雄大なパノラマが広がる名所に、
なっていました。