ですが、両替の煩雑さは同時に、
キャッシュレスから解放された感覚、
~運賃と小銭が釣り合っていると、
確認できる身体感覚~を、
久しぶりに味わうことに繋がり、
なんだか無性に、ほっこりしました。
「効率重視の日常のせわしなさから、
ひと時離れてみたい」と、
心のどこかで願っている人々にとって、
『旅をする』という、非日常体験は、
「効率重視のせわしなさ」を、
打ち砕くものであればあるほど、
心に残るように思います。
さあ、いよいよ楽しみにしていた、
千頭駅始発の井川線専用の、
幅の狭い3両編成の赤いミニ列車に、
乗り込みます。
元々、この線路は、
水力ダム建設のために、
作られたものなので、軌道が狭く、
列車もそれに合わせて、ミニサイズです。
窓も、ドアの開け閉めも、手動。
車体も、昭和中期の歴史を感じさせます。
列車スタート時には、
今まで聞いたこともない、
オルゴールで奏でたような、
哀愁を帯びたレトロな発車メロディーが、
流れてきます。