『越すに越されぬ大井川』という、
馬子唄のイメージからは、
かけ離れた、大井川下流。
土砂が堆積している、大井川下流は、
お世辞にも、綺麗な川とは言えません。
それでも、大きな河川沿いを走る、
大井川鐵道本線は、
独特の山林風景の中を走ります。
車窓を流れる風景は、
(言い古された表現ですが)
古き良き日本の原風景です。
さてさて、事前学習で学んだ、
縁起の良い駅が、近づいてきたぞ。
まずは、日切(ひぎり)駅。
次に、合格(ごうかく)駅。
そして、門出(かどで)駅。
…この辺りの線路沿いには、
〈合格祈願〉の幟旗が、
揺らめいています。
そうこうするうちに、
家山(いえやま)駅に到着。
ここから先の大井川本線は、
復旧が進まず、不通区間のままです。
その不通区間を補っているのが、
町営バスです。
とは言っても、この代行バスと電車が
連携している訳ではないので、
30分待ちくらいなら、
連絡良しと思わねばならず、
なんだか、今回の旅行では、
「時間間隔のネジを巻き戻して、
『急がず、慌てず、いらいらせず』の
心境になりなさい」と、
諭されている気分でした。