辛かったのが、一般病棟に移るまで、
「水」を、一滴も、口にできなかった事です。
唇がカサカサに乾いて、ヒビ割れ寸前…
吐き気がおさまってきた頃、看護師さんに、
「お水を飲んでもいいか」と聞くと、「OK」が出ました。
吸い口に、冷たいお水を入れて、持って来てくれたのですが、
…この時の冷水の美味しかったこと!!
命の水、だと思いました。
「水」に感動する自分に、驚きました。
ドナーになって、たくさんの事を学びましたが、
その一つが、「水」の有難さ、です。
その日、私の病室に、移植主治医のS医師がやって来て、
「移植した肝臓から、胆汁がポトポト流れ出ていますよ。」
と、嬉しそうな声で、知らせてくれました。
胸が一杯で、「有難うございます。」というのが、やっとでした。