手術室到着

手術着を着た手術専門の看護師さんが、2,3人いて、

にこやかに挨拶して下さいました。

ストレッチャーに乗せられた私に、

「横向きになって下さい」

「ちょっと冷たいので、ごめんなさいね。」

と、優しく言って、背中に麻酔を打ったようです。

 

…そこから、記憶が途絶えています。…

 

「終わりましたよ。起きてください。」と、声を掛けられたのが、新たな記憶の再開。

手術する当の本人にとって、手術の間の事など、すべて空白。

…麻酔の威力は、強力です。

思わず、

「今、何時ですか?」と、訊ねました。

「四時ですよ。」という返事に、

「手術は、中止にならなかったんだ!移植されたんだ!」と、

(朦朧とした頭でしたが)移植の実施が、うれしくてたまりません。

 

その後、ウトウトしていると、娘たちがICU(集中治療室)に来て、

半分、うれしそう、半分、心配そうに、私に話しかけてきます。

私は、答えようとするのですが、

麻酔の作用か、吐き気がして、ゲーゲー

と言っても、体の中は空っぽですから、

吐しゃ物は、何もありません。

 

 

 

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