ステルス戦闘機

 

画像出典:防衛省航空自衛隊 主要装備F-35A

ブログ掲載のため、画像を圧縮しました。ファイルサイズはオリジナルよりもかなり小さいです

 

 

  JSF

 

統合打撃戦闘機(Joint Strike Fighter)F-35シリーズは基本型の通常離着陸機(CTOL)であるF-35A、短距離離陸垂直着陸機(STOVL)のF-35B、航空母艦艦載機(CV)型のF-35Cという3つの派生型がある。

 

F-35は、比較的小型の機体で多任務とステルス能力を持つことと、期待についたカメラに寄ってパイロットはヘッド・マウント・ディスプレイで全方位を見通せ飛行情報や戦術データやターゲットが表示出来る仕様であることが最大の特徴である。

 

航空自衛隊では現在、F-35Aを運用中であり、いずも型護衛艦を改修してF-35Bを運用する予定である。

 

アメリカ空軍・海軍・海兵隊、イギリス空軍・海軍、航空自衛隊(F-35Bも空自)、ノルウェー空軍、その他の国の軍が採用を決定している。

 

SDD
 

 

F-35シリーズは、米ロッキード・マーティンをはじめとした複数企業で開発された。

ノースロップ・グラマンとイギリスのBAEシステムズが主な製造パートナー企業である。

国際パートナー8カ国(イギリス・イタリア・オランダ・トルコ・カナダ・デンマーク・ノルウェー・オーストラリア)が米国の開発に加わり、レベル1からレベル3までの3段階で区分されている。その後、イスラエル・シンガポールが保全協力パートナー(SCP)としてSDDのプログラムに参加している。日本企業は開発には参加しなかった。

 

 

FACOから国際整備拠点へ
 

 

三菱重工には機体の4割近いライセンス生産が提案されたが、三菱側が拒否したようです。

三菱重工業のF-35最終組立施設「FACO」が、2020年7月からF-35のアジア太平洋地域の国際整備拠点「MRO&U」として運用開始されることになった。

 

日本の三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所小牧南工場(愛知県西春日井郡豊山町)のFACOが稼働。ノースロップ・グラマン製の中央部胴体、ロッキード・マーティン製の前部胴体・コックピット・主翼、BAEシステムズ製の後部胴体、IHI瑞穂工場(東京都瑞穂町)・相馬工場(福島県相馬市)・呉第二工場(広島県呉市)のノックダウン生産したエンジン(プラット・アンド・ホイットニーF135ターボファンエンジン)を組み上げ、エレクトリック・メイト&アッセンブリー・ステーション(EMAS)での工程を経て機体をロールアウトする。

 

 

  国際的な後方支援システムALGS(Autonomic Logistics Global Sustainment)

 

ALGSはアメリカ政府の管理の下、全ての運用国が共通の在庫プールを通じて交換部品の融通を行うもので、各国は保有する部品の在庫を最小限に抑制できるメリットも有るようです。

 

 

 

  コアプロセッサの更新情報

 

L3Harris provides next generation capabilities for a next generation fighter. The F-35 Lightning II is the future of air power. A fifth generation fighter, the F-35 is a multirole aircraft designed for air-to-air, air-to-ground, electronic attack and intelligence, surveillance and reconnaissance missions. As one of the most advanced strike aircraft in existence, the F-35 is being built for the battlefield challenges of the future.

 

モトローラからハリスに変更されるようですね。

25倍の処理能力UPと低価格が謳われている。

 

 

 

不安材料

 

F-35は、中華人民共和国のクラッカーにより2009年にアメリカ国防総省から設計情報や性能、電気系統、レーダーなどのデータが盗まれた。

2012年にBAEシステムズからもデータが盗まれている。

BAEは航空自衛隊の次期戦闘機の共同開発企業とも報道されていますね。

 

2014年にF-35に中国製部品が使われていた事実が発覚した。

F-35の回路基板はユーロファイター タイフーン、F-16、AH-64 アパッチの開発にも参加している(隠れ)中国資本の企業が製造していた。

 

2015年1月19日付の豪紙シドニー・モーニング・ヘラルド紙は、ロシアに亡命した米・中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン容疑者が、独・週刊誌デア・シュピーゲルに提供した資料から、F-35のレーダーやエンジンの図式、噴出ガスの冷却方法、リーディングとトレイルエッジ処理、AFTデッキヒーティングコンツアーマップといったステルス技術の基幹部分に及ぶ情報が盗まれた事を公表した。

 

2018年12月の米国会計検査院(GAO)の議会証言によると、「アメリカ海軍はF-35Cを2019年に艦上運用開始予定だが、実際に艦上運用可能な機体は2017年度は15%(6機中1機)のみ。状況は2018年に入っても悪化したまま、2018年6月にもF-35Cの信頼性、整備性で改善の兆しが見られないと報告され、F-35Cは初期作戦能力(IOC)として必要な性能項目の半分で不満足な結果を出している」と証言された。

 

2019年1月29日、アメリカ国防省は初期生産型F-35Bの抱える根本的かつ重大な欠陥について報告した。

「初期生産型F-35Bの飛行寿命は2100時間で設計寿命8000時間よりも大幅に短く、想定の8割で訓練等に利用できる機体も少なく、可動率も4割以下と悪い。また、サイバーセキュリティ・テストで露呈した弱点が未だに解決されていない」と述べた。

2019年2月28日、アメリカ海軍は「F-35Cは初期作戦能力(IOC)として必要な性能を獲得した」と発表した。

 

 

可動率

 

2019年3月19日、POGO(POGO:Project On Government Oversight)は

「F-35BおよびC型の全任務可動率(Fully Mission Capable)は海兵隊のF-35B型で15パーセント、アメリカ海軍のF-35C型では2パーセントである」と公式に発表した。

 

2019年4月25日、米国会計検査院(GAO)は、アメリカ軍が保有するF-35の30%近くが、スペア部品不足のため数カ月間飛行不能状態に陥っていたことを報告書の中で指摘した。

 

2019年11月13日、運用試験・評価局(DOT&E)のロバート・F・ベラー局長はF-35が完全な戦闘準備目標に達しておらず、信頼性の問題は多少進歩しているにもかかわらず、3つの派生型はすべて計画よりも頻繁に故障していると指摘した。

 

 

F-35Aの機関砲命中精度問題

 

2020年1月30日、運用試験・評価局は、F-35Aは機関砲が本来の位置とは異なる位置(F-35BやF-35Cと異なる位置)に取り付けられていることが原因で、銃撃の精度が「弾がまっすぐ飛ばない、許容できないレベル」であると指摘した。

 

 

事故

 

2018年9月28日、サウスカロライナ州で海兵隊所属のF-35Bが基地の近くで墜落(パイロット脱出、死亡者なし)。

アメリカ国防総省はアメリカ軍が保有する計245機すべての運用を一時的に停止すると発表。調査によるとエンジン燃料管の不具合がある可能性があることが判明したため、国内外のすべての機体を検査することとなった。 

 

2019年4月9日、航空自衛隊は、同日19時27分頃、青森県東方太平洋上(三沢基地の東約135キロ付近の洋上)で、第3航空団第302飛行隊に所属する3等空佐搭乗のF-35Aが空間識失調(の疑い)で墜落した。 F-35Aで初の墜落・死亡事故となった。

ご冥福をお祈りします。
 

2020年5月19日、フロリダ州のエグリン空軍基地にてアメリカ空軍第58戦闘飛行隊のF-35Aが夜間訓練中に墜落した(パイロット脱出、死亡者なし)。米軍として初めてA型の墜落となった。

 

2020年9月29日、カリフォルニア州にて海兵隊所属のF-35Bが訓練中に空中給油機KC-130と接触事故を起こして墜落した(パイロット脱出、死亡者なし)。

事故でエンジンを2機と総てのプロペラを破損して不時着した給油機の乗組員も全員無事であった。

 

2021年11月17日、イギリス国防省は所有するF-35Bが空母「クイーン・エリザベス」を発艦した後、地中海に墜落したと発表した。

エンジンの空気取入口のカバーを作業員が取り外し忘れたのが原因で、低出力のため(停止が間に合わず)低速発艦で機体はほぼ無傷の状態で海没している(パイロット脱出、死亡者なし)。

中露が引き上げるのを阻止するために米英の潜水艦隊が臨戦態勢で活動したといわれる。

 

2022年1月4日、韓国空軍のF35Aが着陸訓練中にバードストライクに遭い胴体着陸している(パイロット脱出、死亡者なし)。

 

2022年1月24日、南シナ海でアメリカ海軍の空母「カール・ヴィンソン」所属のF-35Cが着艦に失敗、パイロット含む7人が負傷した(パイロット脱出、死亡者なし、負傷者7人)。

負傷者のうち3人は治療のためフィリピンへ搬送、残る4人は艦内で治療を受けた。

事故原因や事故機の状況には調査中として公表されなかった。

米海軍は流出した映像、画像を本物だと認め「大いに失望した」と発表した。