みなさん、おはようございます。五十音です。
音楽との出会いというのは、本当に不思議なものですね。

先日、ネットの海をあちこち漂流しているうちに、たまたま辿り着いたのが、このThe Saxophones(ザ・サキソフォンズ)という二人組でした。

最初に出会ったアルバムは、『Eternity Bay』。
ジャケットには、どこか寂しげな砂浜を二人で歩く男女の姿が描かれています。そのデザインを見ただけで、「ああ、これはきっと、私の心に寄り添ってくれる音だ」と直感したのですが、その予感は見事に的中しました。



実はこの「ザ・サキソフォンズ」という名前、中心メンバーのアレクシさんが、かつて熱心に学んでいたジャズの「形式」や「ルール」に少し疲れてしまった時に、半分冗談でつけた名前なんだそうです。

もっと素直に、もっと柔軟に自分の心を表現したい。そんな願いから生まれた彼らの音楽は、一言で言うと「ちっとも、やる気がない」んですよ(笑)。

ささやくような歌声に、ゆっくり、ゆっくり刻まれるリズム。
その音色を聴いていると、なんだか不思議な光景が目に浮かんできます。

……例えばそう、かつての石原裕次郎さんが、夕暮れの小樽の波止場で佇んでいるような。
コートの襟を立て、凍える手をポケットに突っ込みながら、静かに海を見つめている……。そんな「昭和の哀愁」にも似た、切なくて、でもどこか温かい孤独感が、このカリフォルニアの現代の音から漂ってくるのです。


ちなみに、この動画に映るネオンの看板も、なんだか小樽の飲み屋街の片隅にある「スナック」みたいで、妙に落ち着くんですよね(笑)。

世の中はいつも「もっと早く、もっと元気に」と急かしてきますが、彼らの音楽は、その真逆を行きます。
「やる気が出ない日は、出さないままでいい。その代わり、この気だるさを、うんと贅沢に味わってみよう」

そう言われているうちに、なんだか自分を甘やかしてあげたくなってくるから不思議なものです。

みなさんも、もし「今日はなんだか心が重たいな」という朝があったら、ぜひ彼らの音を聴いてみてください。無理にエンジンをかけようとしなくていい。ただ、その「静かなまどろみ」を一緒に楽しんでくれる、そんな魔法のような音楽ですから。



さて、そろそろコーヒーのおかわりでも淹れましょうか。
今日は、少しだけゆっくりしたリズムで、一日を始めてみたいと思います。