いすけ屋


 10年前なら、どんなに暑い夏でも「熱燗」でカツオの刺身が定石だった私だが、今は幼児化したのか暑い日には「アイスクリーム」を受け付ける体になってしまった。それで、前回の「変見自在」紹介ブログでは、ロッテのグリーン・ガムでお口をきれいにしてから、ロッテのバニラアイスクリーム「爽」がいいとか書いてしまった。実はロッテホテルのドタキャン事件に抗議して「ロッテ製品不買運動だ!」なんて息巻いていた直後に、それをやってしまったのだ。さっそく、「きんいろのからす」さんから、「おやおや、せっかくの誓いも・・・」と笑われてしまった次第である。そういうことで、今回は改心し、ロッテは止めて明治製菓の超バニラ「エッセル・スーパーカップ」にした。こいつは「爽」より味が濃い。


 さて、高山正之氏の「変見自在」今週のお話は、「原発に27㌧F4ファントムが突っ込んでも格納容器には一切被害は起きない」という実験により、アメリカは、「原発はすべて非常用電源を複数、しかも違う場所に設置せよ」という命令書を関係各国に送り、早急の対応を促したというもの。東電がこれを知ったのは3・11のあと。あの小泉淳一郎が、この重要な命令書を放置したからという。


 今、九州電力川内原発1、2号機の再稼働云々が取り沙汰されているが、複数の非常用電源を違うところに設置しておけば、ほぼ原発事故は起こらないということである。「福島原発の事故の原因が分からないのに・・・」とかいう議論を耳にするが、そんなの最初から分かっているのだ。福島第一は非常用電源をすべて失ったから、冷却水を回すことができなかった。だから水素爆発したのであり、これがなければ今頃再稼働していただろう。理系の人でも原発にミサイルが命中したら、核爆発を起こすと思っている。いわゆる無知が恐怖を呼ぶわけで、脱原発賛同者はほとんどがこの口だ。そう、核音痴=アホまたはバカとうことだ。小泉淳一郎は理系ではないが核音痴だといえる。


 この人、引退したのはいいが、最近ボケ老人と組んで、「脱原発」を言い出している。もう影響力は無いからいいようなものの、日本を思いっきり引っ掻き回しといて、これ以上足を引っ張るな!ジジイは引っ込んどけ!と言いたい。





変見自在 高山正之
(週刊新潮7月31日号)


純一郎の罪


 西海岸に向かうユナイテッド航空93便はその朝、管制の混雑で予定を大幅に遅れて午前8時42分にニューアーク空港を離陸した。

 その4分後にアメリカン航空11便がニューヨークの世界貿易センター北棟に突っ込んだ。


 93便のJ・ダール機長がそれを聞いたのは離陸間もなくの9時18分。本社からの無線は操縦室への侵入防止の確認を促した。


 しかしその直後にレバノン生まれのジアド・ジャラ以下4人がドアを蹴破って操縦室を制圧した。


 9時28分、管制塔はダール機長の緊急事態発生を伝える声を聞いた。

 93便はそこからUターンし、東南東に進路を取る。その先にはワシントンDCがある。この時間にはすでに貿易センター南棟にも別の1機が突入し、DCの国防総省にもアメリカン航空機が突っ込んでいた。


 当局はDCの全官庁職員に退避命令を出した。同時に不審機の侵入阻止のため周辺基地の空軍機に出動命令が出された。


 このころには93便の乗客も地上の異変を家族からの携帯で知らされていた。
 そして「静かにしろ」というレバノン訛りの機内アナウンスが乗客に自分たちの運命を悟らせていた。


 乗客の1人が機内電話で地上に状況を伝えている。


「すでに乗客1人が殺されている。みんなで行動を起こし、乗っ取り犯を倒そうと言っている」

 最後の声は「Let’s roll(さあやっちまえ)」だった。


 これが午前10時ごろ。ピッツバーグの南を飛んでいた同機は不安定な飛行を続け、最後はほぼ垂直に地上に墜落した。機体は原形をとどめていなかった。

 「乗客の反乱」で計画を断念した犯人が自爆を選んだとみられるが、別に戦闘機による撃墜説もある。


 いずれにせよ93便を使った第4のテロは失敗に終わったが、ではその標的はどこだったのか。


 ホワイトハウス説もあるが、主犯のジアドは小型機の訓練しかしていない。3階建ての小さな標的を狙う技量はない。


 やはり高さ88メートルもある丘の上のキャピトルヒルだろうという説が強いが、玄人筋はハドソン川河口のインディアンポイントを有力な候補に挙げる。


 ここではウェスティングハウス社製の加圧水型原子炉2基が稼働中だった。


 もしここに93便が突っ込んだら、朝日新聞だったら炉心は溶融しマンハッタンは放射能で汚染され、死の街になると書くだろう。


 米原子力規制委(NRC)もそれを考えていた。ニューメキシコ州の国立サンディア研究所の協力で実際に27トンのF4ファントムを原子炉建屋に突っ込ませる模擬実験もやった。


 結果、NRCの基準に従ったコンクリート建屋なら格納容器には一切被害は及ばなかった。


 使用済み燃料プールも破断して水抜けといった可能性はすべて否定された。

 ただ一つ、不安は炉運転用の電源だった。格納容器は安全でも、冷却水を循環させる電力がなければ結局は炉心溶融につながる。


 NRCは9・11テロの教訓として05年、米国内の原発はすべて非常用電源を複数に、かつ異なる場所に設置せよとする命令書「B5b」を出した。


 同時に日本など関係国政府に「B5b」を送り、早急の対応を促した。


 しかし東電など日本の原発関係者がそれを知ったのは3・11のあと。それも韓国辺りからの情報だった。


 福島は非常用電源をまとめて置いた。それが全滅してあの事故になった。


 「もし米NRCの指示を政府が伝えていれば福島はすぐにも別の非常用電源を準備した。あの事故は避けられた」と関係者は悔やむ。


 この重要な命令書を放置したのはだれか。05年当時の首相、小泉純一郎だ。


 その罪は馬鹿を言って対策を遅らせた愚かな菅直人より重い。彼は最近、ボケ老人と組んで急に反原発を言い出した。過去を振り返り、だれがA級戦犯か気が付いたのだ。


 それで反原発か。菅の前に出て、菅より菅臭い。
 出菅の誉れか。