【韓国旅客船沈没】1カ月前にも現場海域で急旋回
2014.4.23 18:42
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140423/kor14042318420009-n1.htm

 韓国紙、東亜日報は23日、同国・珍島沖で沈没した旅客船セウォル号が、現場海域で約1カ月前にも右に針路を変えようとした際に急旋回する形になり、船体が左側に大きく傾くトラブルがあったと報じた。22日に逮捕された2等航海士の話としている。

 現場は潮流が速く、航行の難所とされる。今回の事故は、右への針路変更時に急角度の旋回が起き、積み荷が崩れたことで船が大きく左舷側に傾き、浸水が始まった可能性が高い。1カ月前のトラブルと状況が酷似している。

 2等航海士は約1カ月前に現場海域を航行していた際、右に5度程度針路を変えるよう操舵手に指示。操舵手は潮流を考慮して5度より若干深くかじを切ったところ、船が大きく傾いた。食堂の棚から食器が落ちて割れるほどで、船長らが操舵室へ駆けつける騒ぎになったという。(共同)



いすけ屋


 ようやく、事故のまともな分析が出てきた。これまでは「急な右旋回が遠心力で傾きを大きくし、コンテナが滑って余計に傾きを大きくした」というような説明だったが、何故急旋回したのか、という説明はなかった。しかし実際は以前にも5度程度の舵で船が大きく傾いたという経験があったという。

 だいたい女性の3等航海士が船長と共に真っ先に逮捕されているが、彼女はマニュアル通りに右への針路変セウォル号更をしただけだ。もともと船が傾いていたため急角度の旋回が起き、積み荷が崩れたことで船が大きく左舷側に傾き、浸水が始まったというのが本当のところだろう。彼女も乗客より先に逃げているから、その点での罪は免れないが、操舵に関する過ちではない。前回の経験からわかることは、セウォル号の重心が異常に高く、復元能力が劣っていたことである。よくぞ、今まで無事だったと言えるだろう。

 それにしても、2時間半も浮いていたのに、3割しか救助できなかったというのは、命令系統に不備があったということだろう。それ以前に、過載荷重が987tのところに3600tも積んでいたという。この基本的な違反が事故を起こした主原因であり、これを見逃した人災と言える。船の事を知らない素人が係るから、こんなことになるのだ。