橋下氏 民意背景に挑発 「劇場型」の政治
2014.2.2 11:30
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140202/lcl14020211300002-n1.htm

 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長はこれまでも選挙に裏付けられた「民意」を背景に、自らの思い描く政策の実現に突き進んできた。

 平成23年には任期満了を待たずに大阪府知事を辞職し、大阪市長選にくら替え出馬。大阪都構想に批判的だった現職の平松邦夫氏を一騎打ちで破り、府市の協調が不可欠だった構想実現への足掛かりを作った。

 選挙後には「国会議員が(法整備を)やってくれないなら、維新が国政に足をかける」と発言。24年12月の衆院選では共同代表として維新を率いて54議席を獲得、第3党に躍進させた。

 橋下氏はしばしば自身への府民の支持を「ふわっとした民意」と表現。府知事時代には「今の日本の政治に必要なのは独裁だ」「くそ教育委員会」などと挑発的な発言を繰り返して、国民の関心を引きつけた。こうした政治手法は「独裁」「劇場型」と評されることも多かった。

 岩井奉信・日本大教授(政治学)は、橋下氏の今回の判断について「小泉純一郎元首相の郵政解散みたいなものだ」と指摘する。

 岩井教授は「大阪市議会の構成は変わらない。(出直し市長選が)抜本的な解決になるのか。大阪都構想の計画はずさんでメリットもはっきりしない。少し長い目で見て、都構想を丁寧に説明していく必要があるのではないか」と話している。



いすけ屋

 私は橋本さんの考えは大筋において同意できる。ただ、この大阪都構想だけはいただけない。大阪都にすれば二重行政の解消による経費の削減ができるとか、大阪市や府にすくっている二重行政の解消による経費の削減が出来るとか言われるが、「都」になったからと言ってそんなに変わるものではないと思う。その第一の理由は、東京のように地方交付税を貰わないで自立できている団体ならまだしも、大阪は交付税受給団体である。お上から交付税をいただく限り、必ず「色」がついてくるものだ。

 現在は交付税はほぼ自由に使えるようだが、それでも制約がついてくるはずだ。昨年は東日本震災に対する災害復旧予算を別目的で使ったとして、マスコミの集中放火を浴びた。あげく、返金したって言うじゃないか。私個人的には、目的は多少違っても金が地元に落ちればいいじゃないかと思うんだが、お役所を挟むとこうなってしまう。橋下さんは、この辺の不自由さを克服したいのだろうが、都になったところで赤字団体は変わらない。

 市町村も大合併をやって、議員の数は減ったかもしれないけど、末端の行政サービスは確実に悪くなった。うちは田舎なので市役所はもともと支所だけど、合併後は午後4時に閉まるようになってしまった。中央省庁も依然行政改革と称して省庁の統廃合をやったが、ろくなことはない。金融庁は大蔵省(財務省)から独立した形になったが、返って銀行の自由を奪い、監視がきびしくなっただけだ。おかげで中小零細企業がどれだけ苦しんだか。構造改革の名のもとに不良債権処理を急ぎ過ぎたため、不要な倒産を多量に発生させ、余計にデフレを伸長させたのも、金融庁が一枚かんでいる。

 ということで「行政改革」というのはそもそも信用できない。大阪都構想もその必要性がよくわからないし、都はその名の通り「みやこ」であるから、天皇陛下の住まわれる所である。これは日本に1か所でよい。東京だけでいいではないか。

 一番の問題は、任期途中で市長を止めて選挙で民意を尋ねるというのは、一見、民主主義のようだが、これは橋下さんのエゴにすぎない。民意を問いたいなら次回の選挙で問えばよい。あるいは市会議員選挙で問えばよい。大阪市民もそんなに暇じゃないだろう。小泉さんの真似をしたって、土井たか子じゃないが、駄目なものはダメ。無理は無理である。府でも市でも維新の会が過半数を取れなかったということは、すでに民意が出ているじゃないか。ほんとは政治家を辞めたいんじゃないか?