いすけ屋



 朝日新聞もここまでくると、もう立派な国賊である。「拉致被害者と従軍慰安婦は、ともに、”甘言”による”拉致”ではないか」と書いている。さすがに井沢先生もこれには我慢できなかったようである。筆者が早野透と知って、この「再啓朝日新聞編集委員・早野透様」となった。慰安婦問題で朝鮮寄りの吉見義明氏をも取り込んで、責任逃れを分担させようと企む早野透が朝日新聞の編集委員でつい最近まで日本に害を与えていたのかと思うと、血圧があがってしょうがない。 



(引用始まり)


再啓 朝日新聞編集委員・早野透様  
拉致被害者と従軍慰安婦に「共通性あり」とは、それこそ人道問題だ
SAPIO 2007年5月9日号 作家 井沢元彦                            
  

 米議会で問題となった慰安婦決議が、在米中国人ロビイストの働きかけによるものであることは明らかだ。にもかかわらず、朝日新聞は日米の対応の差を「国際人権感覚のギャップ」と言い放ち、自分たちの誤報に端を発する慰安婦問題をあろうことか北朝鮮による拉致問題と同一視する。


 朝日新聞の夕刊のトップページに「ニッポン人・脈・記」という連載がある。この間、ふと読んでみて仰天した。次のようなことが堂々と書かれていたのだ。


 〈「シンゾー・アベは拉致問題には熱心だが、従軍慰安婦に対する態度と矛盾するのでは?」「従軍慰安婦」研究者の吉見も、このふたつの問題に共通性を見いだしている。


 拉致被害者も、「いい仕事がある」などと「甘言」にだまされ、連れ去られた例がある。朝鮮人の少女が業者から「赤いワンピースと革靴」を見せられ、「いい暮らしができるよ」と戦地の軍慰安所に送られたのもまた、「甘言」による「拉致」ではないか〉
 (2007年3月28日付朝日新聞夕刊)


 この記事に一切触れられていない歴史上の事実がある。それは昔は「娘を売春業者に売る親もいた」という事実だ。動機は様々であった。父親がどうしようもない人間で借金のカタにするということもあったし、家族を貧しさから救うためにという悲惨な状況もあった。もちろん、その中には「嫌がる娘を親が無理矢理売り飛ばす」ということもあった。そしてそれは残念ながら「合法的」行為だったのである。いわゆる「従軍慰安婦」とされる人々にも最初のうちはそういう「証言」をしていた人もいた。だが、いつの間にか変わった。


 少なくとも最低限これだけはいえる。


 北朝鮮による日本人拉致は、まったく違法で極めて悪質な犯罪行為である。被害者は無享の市民であって、もちろん「従軍慰安婦問題」とは何の関係もない。この記事が主張しているのは、結局「拉致も慰安婦問題も同じではないか」ということだが、そんなバカなことは絶対にない。


 残念ではあるが「合法的部分」も少なからずある「歴史的な問題」である慰安婦問題と、まったく違法な「現代の犯罪行為」である拉致問題を一緒にするなど、物事の判断がまるで出来ていないといっても差しつかえないだろう。ちなみに、このコラムの冒頭に登場し、ここに引用した質問を受けたのは、例の「従軍慰安婦」(岩波新書)の著者吉見義明教授である。「やれやれ、またこのセンセイか」と思って、この記事の筆者を見たら、早野透とあった。同姓同名でない限り、前回も僻論の持ち主として取り上げた、あの早野編集委員ではないか。なるほど自筆の論説だけでなく、自分と同じ僻論の人間を集めて記事を構成したわけですか。新聞記者というのは、実に豊富な「表現手段」をお持ちで大変うらやましい。


(引用終わり)