野球ソフトボール東京で復活も
(日刊ゲンダイ09月09日)


「日本で最も人気のあるスポーツ」とIOC委員がプッシュ  


 2020年の東京五輪で野球・ソフトボールが実施される可能性が出てきた。8日深夜に行われたIOC総会で野球・ソフトボール、スカッシュを抑えてレスリングの残留が決まった。だが、一方でIOC委員の中から「野球は日本で最も人気のあるスポーツ。日本が要望すれば東京五輪で競技に含まれることは難しくない。設備も揃つているのだから」との声が強くなっているからだ。


 これまでも開催国で人気のあるスポーツが五輪で実施された例は少なくない。前回の東京五輪(1964年)では初めて柔道が正式種目になった。1988年のソウル五輪ではテコンドーが公開競技として行われ、後に正式種目につなげている。1984年のロス五輪では野球が20年ぶりに公開競技として復活した。五輪の競技肥大化にストップをかけてきた口ゲ会長は10日に退任する。新会長の考え次第だが、改めて競技数の見直しを主張する委員は少なくない。


 もともと野球が五輪から外れたのは競技人口の少なさ、普及度の低さだけでない。アテネ大会 (04年)が典型だが、球場のない国でグラウンドづくりにカネがかかり、その後の利用価値がなかったからでもあった。IOCにとっても開催国の人気競技をやるのは、五輪を盛り上げる意味でメリットがあるはずだ。


 「まだ望みは捨てていない」と世界野球・ソフトボール連盟のポーター共同代表は今後も働きかけを行う考えを示唆した。




いすけ屋



 10日に新IOC会長が決まる。東京が2020年に選出されたことで、次期会長にはドイツ出身のトーマス・バッハ候補(59・IOC副会長)が有力となった。6人が立候補しているが、その中で最右翼といわれているのがこのトーマス・バッハ氏だ。逆にこの人を会長にするために東京が選ばれたという可能性もある。



 マドリードだと、開催都市と会長がヨーロッパ、ヨーロッパで重なってしまう。どうも、IOCの会長選挙のある年の総会では、五輪開催都市と新会長の出身国が同じ大陸にならないようにする、というコンセンサスがIOC委員の間にあるらしい。事実、ベルギー出身のロゲ会長が就任した2001年のIOC総会では北京(中国)が開催地に決まったし、その前のスペイン出身サマランチ会長就任(1980年)のときはソウル(韓国)が選ばれている。



 さて、そのトーマス・バッハ氏がIOC会長になった場合、野球・ソフトボールは復活するかもしれない。少なくともスカッシュと共に公開競技として実施されるのではないか。レスリングや野球が種目から外されたのは、たった15人のIOC委員で決められた。結局競技種目は、ロゲ会長の意向で押し切られたようだ。なので、不満を持つ委員は多く、記事のような声が上がっているのだ。案外、実現するかもしれない。野球・ソフト、スカッシュ関係者ファイト!