東証株価乱高下を喜ぶ中国メディア、それ以上にアベノミクス叩き“超反日”『朝日新聞』
2013.6.7 07:00
http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/130607/wec13060707000000-n1.htm


 東京株式市場の日経平均株価が1143円も暴落した5月23日以降、中国メディアは「安倍経済学(アベノミクスの中国語訳)失敗の前兆」などと批判した。だが、そんな中国紙ですらアベノミクスの“利点”を評価する中、24日付の朝日新聞は、「『アベノミクス』の本質は、人々をその気にさせようとする『心理学』」と断じ、鬼の首を取ったような批判のオンパレード。中国共産党機関紙「人民日報」を上回る反日ぶりに、関西財界の幹部もあきれ顔だ。


中国紙「黒い木曜日」


 「ブラック・サーズデー(黒い木曜日)」 23日が木曜日だったことから、中国の各紙は、こうはやし立てた。


 同日、経済ニュースを伝える中国のインターネットメディアは日本の株価急落を速報し、「パニック的」などと論評。


 国営通信新華社も同日、「アベノミクスのこれまでの成果が水泡に帰した」と報じ、株安の要因の一つとなった長期金利の上昇について「量的緩和策のマイナスの影響が表れた」と分析した。


 24日付の中国紙、中国証券報は「アベノミクス失敗の前兆」とする政府系シンクタンクの経済専門家の見方を伝えた。専門家は、金融政策に依存した日本経済の回復が「長続きしないことを株価暴落が宣言した」と断じた。


 これまで、中国メディアは「円安が人民元上昇を招き、中国の輸出競争力を奪う」と危機感をあおってきただけに、株価暴落で留飲を下げたのかもしれない。


意外に評価も


 アベノミクス批判一色のような中国メディアの印象だが、意外に“評価”する声も。


 南方日報は27日付の論説で、「日本の株式市場の神話は、終止符が打たれた可能性」に言及しつつ、「長い目で見れば、心配するには当たらない」との考えも示した。


 新京報も「日本経済に成長力が生まれれば、中国にとっても全てが悪いとはいえない」とする論評を掲載した。


 ユニークなのは、中国共産党機関誌、人民日報系ニュースサイトの「人民網日本語版」だ。


 「日経平均株価が暴落 アベノミクスとの関連性は?」と題した24日付の記事で、「アベノミクスが効果を失い始めたという結論を下すのは早計」としている。


 これまで、ドルやユーロなどの外貨に対し、円が過大評価されていたとして、「日本の量的緩和策と円安が物価上昇を起こし、日本がデフレから脱却すれば、中国にとって、全てが悪いこととはかぎらない」と冷静に論じたのだ。そして、アベノミクスの中核は構造改革であり、「財政・金融政策は補助に過ぎない」とも分析した。


 朝日新聞は24日付朝刊の1面で、「アベノミクス、危うさ露呈 東証暴落」と題する編集委員の署名記事を掲載した。


 アベノミクスは心理学だからこそ、「崩れるときはもろい。最初からその恐れはあった」と厳しく批難した。


 編集委員は、日銀の量的緩和策を「人為的な市場操作」と断じ、「金融緩和偏重のアベノミクスを修正」する必要性を唱えているが、反日色の強い中国紙ですら、「金融政策は補助」と理解を示しており、朝日新聞の強烈な反アベノミクス色が目立つ。


 ネット上では「朝日新聞、なんだかうれしそう」「株価下落とアベノミクスを無理やり結びつけようとしている」「本当の反日国は日本」などのコメントが並ぶ。


 アベノミクス最大の障壁は、国内の反日メディアかもしれない。





いすけ屋



 安倍政権の最終目的は「デフレ脱却」である。その一環として強力な金融緩和の実施が日銀総裁から発せられ、市場が勝手に円安、株高に導いてきたのが、これまでの流れだ。山に登れば下山しなければならない。株式や為替相場は、その上下によって差益を稼ぐ商売を生んだ。一般の国は自国の通貨を発行しすぎると、途端にインフレになるから、中央銀行の役目は、それを監視し調整することにある。ところが、アメリカのドルは、世界の基軸通貨であり、どれだけ刷っても世界に吸収されて、アメリカのインフレを招くまでには至らない。これを知っていた米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は量的緩和(QE)に走り、リーマンショックを乗り越えたのだ。



 現代の金融緩和は上記のようにアメリカに始まり、必要以上の多額のドルは金融業の市場を形成し、いろんな金融商品を作って、実体経済に関係のないところで、売り買いされるようになった。ここでは「生産」がないから、「売り」+「買い」=0、いわゆるゼロ・サムの世界でもある。したがって、儲けた人の合計金額と損した人の合計金額とは等しい。一種のネズミ講のようなもので、最終的にババを引いたものが大損こいて倒産する。それがリーマン・ショックだった。



 企業の価値をも、株価総額で表すようになり、決算時の株価がその会社の損益をも影響するようになった。上場会社では株価さえよければ、役員はウハウハの左団扇であった。昔は株式原価の総額が資本金とされ、資本金の大小で会社の規模が判断されたものだ。もちろん、配当金を目当てに保有する人も、「株主優待」を目当てに、株を保有する人もいる。しかし、コンピュータ-の発達した現代では、瞬間の値動きの差額で稼ぐ者が増えている。



 したがって、そこそこ株価が上がれば、利益確定の為に売りに出る。すると、気持ち株価が下がるから、あわてて売りに出すものが出てくる。最近はヘッジファンドがこれをやって大量の売買を行うので、当然値動きは大きい。これを、捉えて「アベノミクスの失敗だ」とか、書き立てるマスコミがある。急に下がったからどうのとか、相場の不安をつのってどうする。と言うよりも、反日マスコミは何でも安倍政権のせいにしたいのだ。こうやって、一旦下げておいて、安値で買い取る。これはヘッジファンドの常套手段である。こんなことに、いちいち付き合っている暇のある人は別にして、一般庶民の大半は無関係だ。マスコミがそろって大騒ぎすることもあるまい。



 もちろん、安倍政権の「第三の矢」は期待外れだった部分は多い。特に、あの人とあの人の影響からか、国家全体の所得(=需要)のパイを膨らませるのではなく、特定企業への所得分配を高める政策に偏っている。「衰退産業から、成長産業へリソース(人材、投資など)をシフトさせる」と言う考え方は、まさに新自由主義経済派、グローバル派の考えそのものである。あの人とは「効率の悪い会社は去れ!」と言って、どんどん中堅建設会社を潰していった構造改革派のあの人のことである



 また、PFI、即ちインフラ分野での民間の力の活用であるが、いずれにせよ、インフラ分野を請け負うのは民間企業(建設企業など)で、別に政府が技術開発を加速させようとしなくても、普通に公共投資を増額していけば、企業側が勝手に「民間活力」を発揮し、インフラ関連の技術開発は進むものである。これまでのデフレ経済下では、昨日も書いたが、全く民間は投資を増やさなかった。結局、トップギアーに入るまでは、政府がけん引していかねば、この大きな「日本丸」は動かないのだ。



 また、電力システム改革で、発送電分離という、世界各国で失敗している政策を今さら始めてどうするのか。電力会社は、「発電会社の故障で電気がきませんので当社から電力は供給できません」とか、「雨降りが続き、風止まったので、電力は供給できません」では済まされないのだ。発電能力が安定しない再生可能エネルギーを「法律で」買い取らされている電力会社は、買い取った再生可能エネルギーを国民に供給しつつ、「万が一」に備えて予備の火力発電をスタンバイさせている。この代価は電気料金となって私たちに跳ね返ってくるのだ。むしろ、「早期の原発再稼働を約束し、消費税増税を3年間遅らせる」と言ったほうが、よほど効果があったろう。



 市場が撥ね付けたのは当然である。安倍さんは早くこの過ちに気付き、成長戦略を見直した方がいい。一度にあれこれ考えずに、あくまでも「デフレ脱却」一本で押したほうが、国民にはわかりやすいと思う。民間活力はそのあとの話だ。余談だが、「道州制」はあまり焦らないでほしい。大方の国民には、まだ何も分かっていないのだから・・・。