震度6が襲う 千葉確率75%の恐怖    
(日刊ゲンダイ12月22日)



「地震予測地図」2012年版   


 千葉市が震度6弱に襲われる確率は75%――。政府の地震調査委員会が21日に発表した2012年版「全国地震動予測地図」はショツキングだ。関東地方で巨大地震が発生する確率が上昇しているというのだ。


 「地震予測地図」は、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を地図上で示したもの。前回の2010年版と比べると水戸市は31㌽ 上昇し62・3%、千葉市は12㌽ 上昇し75・7%の確率で震度6弱が起きるという。


 「予測地図は地盤の強さや断層など、さまざまな条件を考慮して作ったものです。茨城沖などこれまで知られていない大きな地震の可能性も考慮しています。震度6弱は力べが崩れ、人が立っていられない状態です」 (文科省地震・防災研究課)


 やはり関東地方に危険が追っているのか。東北大災害科学国際研の遠田晋次教授かこう言う。


 「3.11はM9という巨大地震だっただけに、どうしても東日本の太平洋側は影響を受ける。とくに震源地の北側と南側は、地震が起きる可能性が高い。予測地図が示す通り水戸や千葉で発生することは十分に考えられます。心配なのは、M9クラスの大きな地震は、8クラスの余震を引き起こすことが多いが、まだ起きていないことです」


 不気味なことに、千葉県の房総沖は1677年の「延宝地震」以来、巨大地震が起きていない空白域となっている。エネルギーが一気に爆発する恐れがある。もし、房総沖でM8クラスの地震が起きれば、東京も無傷ではすまない。


 遠田晋次教授かこうつづける。
 「見落としがちなのは、東北の日本海側です。M7クラスの地震が起きやすい。内陸型なので被害の範囲は狭いが、ピンポイントで大きな被害をもたらす恐れがあります」


 日本列島の地殻変動は、まだまだ終わっていない。



30年以内に震度6弱の地震が起きる確率  

   2012年 2010年 差
静岡 89.7% 89.8% -0.1
津  87.4% 85.9% 1.5
千葉 75.7% 63.8% 11.9
横浜 71.0% 66.9% 4.1
奈良 70.2% 67.7% 2.5
高知 66.9% 63.9% 3.0
根室 65.3% 63.9% 1.4
徳島 64.2% 61.2% 3.0
大阪 62.8% 60.3% 2.5
水戸 62.3% 31.3% 31.0







いすけ屋



 巨大地震が発生する確率という意味がよくわからない。我が街三重県津市を例にすれば、今後30年以内に震度6弱の地震が起きる確率が、なんと87.4%ということになっているんだけど、100%じゃないから、起きない確率も12.6%はあるってことかな?



 それと、ただの推定なのに、87.4%という少数1位の細かい数字に意味はないと思うんだけど・・・。また、今後29年間そんな大きな地震がなければその翌年は必ずあるってことかな。2年前の予測から数字が上がっているのは、予測期間が縮まったからなのかと思ったが、相変わらず30年以内ということなので、そうでもないらしい。2年後に発表されても、それから「30年以内に」ということであったら、確率の細かい数字は、ますます意味をなさない。



 まあ、こうやって注意を喚起するのはいいんだけど、取る人によっては恐怖にうつる。煽るだけでは何にもならない。幸い、新政権は「国土強靭化計画」でもって防災公共事業をやるといっている。ある意味、そのための布陣ということもあるかもしれない。それはともかく、国民が防災意識を高め、防災避難訓練にも参加し、インフラも整備して行けば、被害を減少させることも可能である。



 原発事故の事後では、やたら恐怖を煽るから、はるか九州まで逃げていった家族もいるようだ。確かにいまだに仮説住居に住まざるを得ない人もみえて、行政の不手際がこんなに酷いのも、中央政府の指導力不足が原因だ。自民党でも大差なかったかもしれないが、少なくとも自民党は震災復興は神戸で経験済みだ。民主党は次期代表の候補にもあがった色男が、当時復興担当大臣で、その無能力をまざまざと見せてくれた。その色男を党の顔に担ごうとしたんだから、この党の人材不足は哀れなほどだ。 



 そこで、自民党政権にお願いしたい。神戸地震の時は津市では震度5だったが、震度6弱といえば、力べが崩れ、人が立っていられない状態ということで、あらかた想像はできる。我が家は木造なので、S57年の耐震基準はクリアしているが、築後28年のポンコツなので、震度6弱に見舞われれば、どうなるかもわからない。津市には液状化を起こすだろう地域が広く存在しているし、津波の危険もある。



 さらに、よくわからない確率が約90%もある地域なので、当然優先的に防災工事は行われるだろうけど、一般家屋の補強工事の援助も今後早急にケアしてほしい。麻生さんの「エコポイント」じゃないが、「防災ポイント」でも考えて、工事を普及させればデフレ脱却の一助にもなると思う。そうでもしないと、この「地震予測地図」の発表は、ほんとに意味を成さなくなる。