最高裁裁判官、全員罷免なし 国民審査
   
2012年12月17日12時6分
http://www.asahi.com/national/update/1217/TKY201212170376.html



 総務省は17日、衆院選と同時に行われた最高裁判所裁判官の国民審査の結果を公表した。「罷免(ひめん)すべきだ」という意思を示す×印が有効投票の半数を超えると罷免されるが、対象の10人のうち過半数となった裁判官は1人もいなかった。×印が最も多かったのは岡部喜代子氏(学者出身)で、有効投票の8.74%にあたる504万4756票だった。







いすけ屋



 いつも思うことだが、最高裁判官の国民審査といっても、国民は全くデータを知らないまま、投票所に行っている。せめて扱った事件の概要と判決ぐらい示してもらってもいいのではと思う。例えば『陸山会事件』で東京地裁登石裁判長は、『動機』や『共謀』を認定する文末は、『・・・が強く推察される』『・・・とみるのが自然かつ合理的』『・・・とは到底考えられない』といった、あやふやな表現ばかりで、3人の秘書を証拠もないのに推認有罪とした。



 3人が有罪でないと、続く小沢裁判が成り立たなくなるからだった。この件で平野貞夫元参院議員が、「裁判官訴追委員会」に訴追請求状を提出した。その続報がないので、弾劾裁判が行われたのか否かも知らないが、訴追委員会が「必要なし」と判断すれば、それで裁判官を裁く手段はなくなる。登石裁判官が出世して最高裁までいったとしてもおそらく20年後だ。もう誰もが忘れている。☓印のつけようがないのだ。



 かくして、最高裁を裁く手段が無いため、ここに不正の巣が出来てしまっている。海外から見れば、総選挙時の☓印記入について、「この”直接民主主義”は純粋に儀式的な、そえ物」と表現されるぐらいだ。全く実のないシステムがいまだに生きている。これまでの歴代最高不信任率裁判官は下田武三で 15.17%であった。今回8.74%であったというのは、情報不足に他ならない。



 したがって、現在までに国民審査によって罷免された裁判官はいない。仮に裏面されても、裁判官は罷免の日から5年間は、最高裁判所裁判官に任命されることができないだけの大甘制度なのだ。



 例えが悪いが公務員なら、出来心で女の子のお尻を触っただけで、懲戒免職だ。このたび、ようやく志岐武彦氏、山崎行太郎氏の「最高裁の罠」が発売されたが、その中で、小沢さんの強制起訴を決定した二回目の検察審査会は民主党代表選挙の当日は開かれていなかったという納得できる状況証拠が書かれている。これが真実ならば、最高裁は国民に対し、大変な嘘をついてきたことになる。日本の最高裁がこのザマであるならば、法治国家として信じるところがない状態になる。



 最高裁判官の国民審査システムは、早急に改訂する必要がある。報道も正しく伝えないし、わが日本では、もう信用できる公的機関は無くなってしまったようだ。ある意味、中国よりもひどい。三権分立なんて機能していないのだ。