放射性物質の拡散予測、新たに75のミス  
(2012年12月14日11時57分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20121214-OYT1T00594.htm?from=ylist



 原子力規制委員会が放射性物質拡散シミュレーションを何度も訂正した問題で、規制委事務局の原子力規制庁は13日、シミュレーションを総点検してやり直した結果を公表した。

北海道電力泊原発(北海道泊村)で降雨量のデータを10倍にするなど、全17原発で計75のミスが判明した。規制庁は同日、ナンバー2の森本英香次長ら幹部3人を口頭による厳重注意処分とした。

 規制庁によると、東京電力福島第一原発を含む17原発のうち、泊原発と、既にミスが明らかになっていた九州電力の玄海原発(佐賀県玄海町)、川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の3か所は大幅な訂正となった。



 泊原発では、規制委から委託された独立行政法人原子力安全基盤機構(JNES)が、1時間当たりの降雨量を0・1ミリ単位で入力すべきところを誤って1ミリ単位で入力した。再計算の結果、拡散距離は全体的に短くなり、放射線量が避難基準に達する最も遠い地点は倶知安町(原発から19・9キロ)から共和町(同15・2キロ)になった。



 玄海、川内原発では、九州電力が誤った風向データをJNESに提供し、拡散方向が180度変わった。その結果、同様に最も遠い地点は玄海原発では佐賀県唐津市(同27・4キロ)から長崎県佐世保市(同29・1キロ)、川内原発では鹿児島県阿久根市(同21・1キロ)から同県いちき串木野市の沖合(同21・1キロ)になった。



 ほかの14原発で大きな訂正はなかったが、気象データや計算用の変換コードの入力などでミスが多発し、避難基準に達する地点に一部の自治体が新たに含まれたり、外れたりした。



 原因について、規制庁は、業務をJNESに丸投げした上、規制庁にチェック体制がなかったこととした。



 同庁によると、拡散予測は、原発周辺自治体の要請で防災計画の策定に必要な基礎資料と位置づけられ、今年8月、規制委の前身である原子力安全・保安院は予定になかった方位別の予測を行うよう方針を変更。大量のデータ処理が必要になったが、9月に保安院から業務を引き継いだ規制庁は、体制を見直すことなくJNESに作業を急がせた。









いすけ屋



 大体、役人が選ぶ委員なんてのは、御用学者ばっかりで、真の専門家など一人もいないと心すべきである。上記の訂正にしても2度目ではない。それでも孫請けにやらせたので、と責任逃れだけは忘れない。原発断層調査でも、断層そのものが活断層でないとわかると、近くの活断層の影響を受ける可能性があるからと、勝手に活断層にしてしまう連中だ。



 敦賀をこの方法で落として、味を占めたか、今度は「東北電力東通原発(青森県東通村)敷地内の亀裂(破砕帯)が活断層の可能性あり」とこじつけた。これで2丁上がりだ。その割に科学的な私でも納得できる説明が一個もない。こういうものは、大学の先生よりも調査を専門にやっている現場技術者のほうが経験も豊富であり、納得できる説明をしてくれる。



 破砕帯と地震の関係で言うと、ポイントは破砕帯の厚さである。少し専門的になるが、アスペリティとは、地震学において、震源域の中で大きくずれ、大きな揺れを起こす地震波が出ると考えられる部分を指す。断層面で、通常は強く固着しているが、地震時に大きくずれ動く領域。被害をもたらす強震動を左右するのが、アスペリティである。



 そこで、「見かけの破壊エネルギーとアスペリティーから解放されるエネルギーともに破砕帯の厚さに比例して大きくなる」ということがわかっている。実際、地震による揺れとして感じるのは破砕帯境界面の相対変位によって生じる地震動である。地震時に断層に生じる変位は破砕帯に生じている歪を解消する程度の大きさである。すなわち,地震は断層面のすべりと言うよりは断層帯の破壊で生じていると考えた方がよい。



 したがって、断層の厚さが重要なパラメーターであり、一般的に30センチ未満の厚さでは、大きな地震には成り得ない。特に敦賀の写真では厚さはせいぜい10センチだ。これでは応力が堪らないし、断層を破壊するエネルギーも堪らない。つまり震源とは成り得ないのだ。そういった肝心なことには触れないで、原発耐震指針で「活断層の上に原子炉など原発の重要施設を設置することはできない」と書かれた文言をカタに、活断層と決めつけている。明らかに再稼働させないための行動だ。



 今の規制委員会は学問的に中立ではないし、ホントの専門家なのかも怪しい。いわば選挙を応援するための組織である。なぜならば、敦賀も東通も結論が早すぎる。明らかに投票日に合わせている。わずか2時間の論議で「活断層の可能性あり」と決めて、原電の質問主意書にも答えていない。いかにも民主党が脱原発に向けて走っているかを有権者に見せつけているが、こんなヤラセはもう見飽きた。国民をバカにするのも、いい加減にしてもらいたい。