除染特別地域で初の本格作業、お盆前で墓地優先
  
(2012年7月27日14時01分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20120727-OYT1T00780.htm


 東京電力福島第一原発事故により国直轄で除染を行う「除染特別地域」となった福島県田村市都路町みやこじまち地区で本格的な除染が始まり、作業の様子が27日、報道関係者に公開された。

 除染特別地域での本格除染は初めて。

 除染が行われたのは、同市都路町古道にある墓地と神社。お盆が近いため、優先的に実施されることになり、マスクや手袋を着けた作業員が地震で墓石が倒れたままの墓地で雑草を刈り取るなどした。放射線量が高い地点は表土をはぎ取る。

 国による除染は今年3月時点の警戒区域と計画的避難区域で行われ、県内11市町村が対象。4月に警戒区域から避難指示解除準備区域に再編された田村市の対象地域は約4200ヘクタールで、住宅やその周囲、道路など約570ヘクタールについて来年3月末までに終える予定。




いすけ屋


 この手作業の除染作業は、歴史に残る民主党政権の世紀の愚策である。墓地というのは花崗岩の集積地みたいなものだから、もともと放射線量は高い。ここを除染しても、いくらも下がらないよ。請け負った業者は、検査合格まで苦労するだろう。赤字かもしれない。


 そもそも、政府の規制値が厳しすぎるのであって、詳しくは


福島の事故と国会事故調査委員会の報告書から
 
ウェード・アリソン オックスフォード大学物理学名誉教授、同キーブル・カレッジ名誉交友
(2012年7月30日掲載)
http://www.gepr.org/ja/contents/20120723-05/


を熟読されたい。ここにも判りやすい図があるが、基準がどんなにバカげているか、この図を見てもらいたい。


いすけ屋のブログ


 の長方形は、腫瘍に照射される、放射線治療殺細胞放射線量である。薄い赤の長方形は、放射線治療において周辺細胞組織への放射線量で、一般人が通常回復し、治療に感謝して帰宅する線量である。の四角は、ここに議論する、比較的安全である限り高い(AHARS : As High As Relatively Safe)1ヶ月間の安全線量である。小さな点の面積が、国際放射線防護委員会(ICRP) が勧告する一般安全制限である。


 2007 年の ICRP レポート 103の勧告は、合理的に達成可能な限り低い(ALARA : As Low As Reasonably Achievable)ことを目標としており、その制限値は、1 年あたり 1 mSv である。この ALARA における数値は他の危険水準(AHARS)の 1000 倍も小さく、この差異によって、大きな誤解が生まれる可能性がある。(上記より)


 ウェード・アリソン氏に言わせれば、安全線量は1ヶ月当り100ミリシーベルト。政府のICRPによるそれは1年間1ミリシーベルトである。除染作業もこの値まで行うという。政府の無知が、余分な出費を強いている。もちろん地元建設業に仕事を与えているから、経済対策にはなるが、元請けが東京の大手だから、地元に落ちるカネは少ない。


 何度も繰り返すが、福島の被爆地では50mSv/年を超える所はない。現実にアメリカではウェード・アリソン氏の1ヶ月当り100ミリシーベルトを採用している。50mSv/年としてもアメリカの4.2%でしかない。20mSv/年でも帰宅できない。非常事態宣言も出ていないのに、自宅に帰れなくする権限が行政にあるのだろうか。


 金曜デモの根源は、放射能を恐れる余り、原発を拒否しているのであって、それ以外の何者でもない。福島へは永遠に帰れないと真剣に信じている人もいる。これから放射性ガンにかかる人が出てくると信じている。そのうちの何名かは、そのガンによって死亡するといったまさに反核プロバガンダ術中に嵌ったわけで、自分は正義だと信じこんでいる。はやく気づいてほしいものだ。


 今日、IAEA調査団が女川原発を訪問し、あれだけの地震・津波にあったにもかかわらず、被害の少なさを対策に生かすべく調査に入った。世界は福島は震度9の地震にしてはよく持ちこたえたと評価しているのだ。日本の原発技術はますます信頼を得ている。9条で騙されたのに、まだ気づかずに脱原発に走る人。早く気付けよ!