山口知事に山本氏が初当選…橋下ブレーンら破る     
(2012年7月29日23時42分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/election/local/news/20120729-OYT1T01137.htm


 山口県知事選は29日投開票され、無所属新人の元国土交通審議官・山本繁太郎氏(63)(自民、公明推薦)が、無所属新人の3人を破って初当選した。

 山本氏は自民党の国会議員らによる組織選挙を展開し、「脱原発」を掲げるNPO法人所長・飯田哲也氏(53)らを退けた。

 山本氏は当選後、「産業再生や人材育成に取り組み、二井関成にいせきなり知事が守ってきた県政をさらに発展させたい」と語った。

 選挙戦は、景気・雇用対策や、中国電力が同県上関町で進める上関原子力発電所建設計画への対応などを争点に、選挙期間中に米軍岩国基地(同県岩国市)に搬入された米軍の新型輸送機MV22オスプレイの一時駐機に対する主張にも有権者の関心が集まった。





いすけ屋


 山口県民は賢明だった。夢想家の飯田哲也を排除したことは、山口県がエネルギー的に破綻しなくてすんだということで、賢明な選択だった。「脱原発」は誰だって反対しないが、もう一歩踏み込むと、意見はバラバラになる。「原発の代わりに何を?」と問うて、「自然エネルギーで」とい答える人は、脱原発をを主張する権利すらない。


 再生可能エネルギー措置法が施行されて、「自然エネルギー産業の未来は明るい」、と確信する人も同じだ。これは普及すればするほど電気料金に跳ね返って、あっという間に2倍3倍になる。ヨーロッパ、アメリカの失敗例が其れを実証している。さらに、これら不安定電源には必ずバックアップ電源が必要で、電力ネットワークの整ったヨーロッパなら、まだしも、日本では余分な発電設備が必要になり、これまた電気代に跳ね返る。


 「脱原発」しか考えない人は、幸せなものだが、現実はいつでも厳しい。それをごまかすべく、飯田哲也などの夢想家は簡単に庶民を騙す。


 例えば、〔バックアップは多様。第1に市場や情報を利用した様々な合理的な節電策。東京都の報告では照明対策や空調対策で昨年業務部門で25%節電。村上憲郎さんの試算ではDR市場活用で関西電力管内500万kW・16%もの節電可能性〕と言う。ところがこれは嘘。村上氏の「ネガワット取引」の構想は、長期的な制度設計の話で、今年の夏には間に合わない。


 あるいは、〔バックアップは多様続き。第2に西日本の電力会社6社の電力融通可能性はピーク時でも900万kW可能性(ISEP試算)。自家発は2~300万kW追加可能性。需給の改善で揚水発電をピーク時に昨年並み465万kW利用可能〕とも言う。これもおかしい。他の電力会社も、夏場に原発が止まったらぎりぎりで操業しているので、900万kWも融通できるはずがない。


 これは「ISEP試算」となっているが、これは飯田氏のコンサルタント会社だから、自作自演であり、何の根拠も示されていない。「自家発で200~300万kW」というのも夢想値。去年の東電の停電騒ぎのときも、こういう「埋蔵電力」がいわれたが、結局何も出てこなかった。揚水発電というのは原発の付属なので、原発なしでは発電ができるはずがない。


 このように、無責任なものである。常識で考えても、原発の依存率48%の関西電力で、それがすべて止まったら電力が足りるはずがない。こういう彼のモラルハザードには理由がある。「電力は足りる」と主張しても、彼の所属した大阪府市には何の許認可権もないので、まったく責任がない。政府が再稼働の交渉をするときも、彼は「政府のやり方は汚い」とか「早すぎる」とか、きれいごとを言っていればいい。こんな気楽な商売はないね。


 「原発を止めなきゃ、日本は大変なことになる」と脅してればいい。まじめな日本人は真に受けて、というより信じ込んで、東京近辺の暇な連中は、金曜デモに参加して「自己満足」する。最近、この病気に有識者が多く感染していて、困るのだ。おそらく彼等も飯田哲也教の信者なんだろうが、ただの反政府派だけかも知れない。


 いずれにしても、嘘つき飯田を排除したことは、山口県を安泰にしたことであり、山口県民の賢明さに敬意を表するものである。大阪も、彼が出たことで、エネルギー戦略会議が迷路に入る所だったのを防げたことになる。あとは、感情論でなく冷静に先の読める顧問を迎えることだ。橋下さんの失政を招かない為にも・・・。