オスプレイ運用、日米合同委で26日に協議
    
(2012年7月24日10時54分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20091215-481540/news/20120724-OYT1T00427.htm


 玄葉外相は24日午前の閣議後の記者会見で、米軍の新型輸送機MV22オスプレイの運用について協議する日米合同委員会を26日に開催すると発表した。

 外務省で開かれる予定。山口県岩国市の米軍岩国基地への搬入に対し、地元や配備先の米軍普天間飛行場を抱える沖縄県が反発しており、政府は同委員会で安全性への懸念を払拭する具体的な運用方法をまとめたい考えだ。

 玄葉氏は「運用ルールは安全性の問題を考える上で大事な点だ。(結論は)出来るだけ早い方が望ましい」と強調した。同委員会は10月に予定されるオスプレイの本格運用までに数回開かれる見通しで、日本側は住宅地上空の飛行回避などを求めていく考えだ。

 合同委員会は日米地位協定に基づくもので、外務、防衛両省と在日米軍幹部らが出席する。




いすけ屋


 このオスプレイ問題にしろ、原発問題にしろ、反対運動をする人達は、往々にして基礎知識に乏しく怖がりすぎているきらいがある。オスプレイでいえば、昨日は大マスコミが横並びで第一報を岩国到着ニュースで埋めた。各社たっぷりお金を使い、現地中継、へり中継、地元の声、沖縄の声と、危険を煽りつつ反対の声ばかりを届けた。これでは関心の無い人まで怖がることになる。


 これがメディアのイメージ作戦で、オスプレイとはしょっちゅう墜落ばかりしている飛行機かと思ってしまう。オスプレイ開発を敵視していた「タイムズ」誌の影響もあるのかもしれないが、唯一、産経新聞だけが、事故率はそんなに高くないと伝えている。そこで調べてみると、米海兵隊所属のMV-22の10万時間当たりの平均事故率は、2012年4月11日の事故後に1.93になっている。海兵隊の垂直離着陸戦闘機AV8Bハリアーの事故率は6.76で、海兵隊全体の平均事故率は2.45だ。


 平均よりも低いのに、何故、“みにくいアヒルの子”になってしまったのか。理由は簡単、日本のマスコミや一部の専門家などが、開発段階での悪評をほじくり返して、報道で煽ったからだ。もともとヘリコプターと固定翼機を合体させたような奇妙な構造の航空機という特殊な設計のため、開発段階ではそれなりに事故も起している。しかし、2007年から実際に海兵隊や空軍特殊作戦軍によって運用が開始されると、オスプレイの速度、航続距離、高度、それに敵弾や故障に対する生存性などは、従来のヘリコプターを比べ物にならないほど凌駕していたため、悪評は一掃され“美しい白鳥”であったことが判明したのだった。


 基地周辺に限らず、飛行機が家に突っ込んでくる可能性はゼロではない。つまりオスプレイだけが危ないのではない。しかし確率論でいうと≒0である。それに事故を起すのは、離着陸の際が一番多いから、ケガをするのは米兵である。アメリカも大事な兵士を事故で失いたくはないから、運用開始後は、入念にチェック改良を施してきている。老朽化したヘリコプター「CH-46」を更新する必要性もさることながら、同機と比べて航続距離が約5~6倍、行動半径が約4倍、速度は約2倍、搭載重量は約3倍といった機能を有するオスプレイは作戦計画上重要だ。


 さらに将来日本も必ずオスプレイが必要になる。海兵隊も必要であるが、「動的防衛力」を作戦の基本にする以上、輸送機の確保は絶対である。その前に米軍に何故オスプレイが必要なのかを、我々も理解しなければならないと、戦争平和社会学者 北村 淳氏は説く。 『マスコミにつくられた「オスプレイ恐怖症」、日本防衛のために本当に必要な議論を』´(JBPress)より


(1)海兵隊的軍事組織が中核となる併用戦能力が日本防衛には欠かせない。
(2)日本には自前の併用戦能力が存在しない以上、アメリカ海兵隊の日本駐留は必要である。
(3)在日アメリカ海兵隊が沖縄を本拠地にするのは日本防衛にとって極めて有効である。
(4)アメリカ海兵隊にとってヘリコプターやオスプレイをはじめとする航空機は必要不可欠である。
(5)在沖縄海兵隊にとって現在保有しているヘリコプターをオスプレイに更新していくことは日本防衛も含めた戦略・作戦上必要不可欠である。


以下参照。


マスコミにつくられた「オスプレイ恐怖症」、
日本防衛のために本当に必要な議論を

  
2012.07.20(金)
北村 淳
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35695?page=6



オスプレイ導入で日本の安全保障はどう変わるのか
災害時の「人命救助能力」にも大きな期待

   
2012.07.24(火)
桜林 美佐
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35723