大飯安全宣言、絶対おかしい…8提案の橋下市長
   
(2012年4月24日13時25分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120424-OYT1T00491.htm


 橋下徹大阪市長と松井一郎大阪府知事は24日午前、首相官邸で藤村官房長官と約25分間会談し、原子力発電所の安全性に関して府と市がまとめた「8提案」を申し入れた。


 橋下氏らは、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を巡り、野田首相と関係閣僚が安全性を確認したことを批判し、手続きを見直すよう求めたが、藤村氏は応じなかった。


 会談後、橋下氏は都内で記者団に対し、大飯原発に関して、「科学者による安全性のチェックもないまま、政治家が安全宣言をしたことは絶対におかしい。国家運営の重大な危機だ」と述べ、政府の対応を批判した。改めて、大飯原発の再稼働に反対する姿勢を強調したものだ。


 8提案は、〈1〉国民に信頼される独立性の高い規制機関の設立〈2〉安全基準の作り直し〈3〉原発から100キロ程度の範囲内にある都道府県と電力事業者が協定を締結できる仕組みの構築――などを求めている。





いすけ屋


 日本の民主主義がおかしくなっている。いかに人気がるとは言え、一政令指定都市の長が中央に出かけて行って、官房長官にお説教できるとは。会う方も会う方だ。そんなに橋下市長が怖いのか。維新の会のトップとしてなら、全く相手にしなくていいはずだし、大阪市は地方交付税をいただいている身分である。国政に口出しできる身分ではない。


 少なくとも、一連の原発再稼働反対の行動は、維新の会としての小泉式橋下流「選挙運動」に他ならない。なぜなら原発は大阪市の安全問題には直接関与しない。それより、電力不足による停電のほうが痛手は大きいはずだ。ところが、再稼働反対は産経を除く全大手新聞、テレビの掛け声であり、必然的に世論となっている。


 自分の信条がない政治家は世論に流される。世論に従ってれば、選挙が楽だから。ただし、世論というのは、往々にして間違っている。間違っているのに、それを糺せないから衆愚政治となるのだ。民主主義とは、王様に代わって、民衆の中から有識賢明なリーダーを選んで、導いてもらうというのがその真髄であって、民衆の考え通りに物事を決めようというものではない。第二次大戦に向かっていったのは軍部ではなく、マスコミと民衆であったという反省を忘れてはならない。


 だいたい、政府も橋下市長の挑発に乗るから、こんな事になる。無視すればいいのだ。ただ、マスコミが取り上げ報道するから、マスコミ自身も橋下さんの術中に嵌まっている。彼は「どっちが正しいか、選挙ではっきりするでしょう」と、わざわざ「これは選挙運動ですよ」と白状しているようなもの言いなのに、だ。彼が動くとニュースになるのは、彼の実力には違いないが、こうやって愚衆を増やしているのは、マスコミなのだから、いい加減自重してもらいたい。


 さて、あちこちの原発のストレステストの結果が、地震には問題な位と言う結果が出ているので、想定地震の規模を無理やり大きくして、「これならどうだ」と、計算ゴッコをやってるが、日本の耐震設計技術の高さを舐めたらいかんぜよ。現に、福島事故があってもベトナム政府は引き続き「日本の技術を信じている。ぜひとも日本の原発を購入したい」と言ってくれている。GM製が日本の原子炉ではないのだ。もっと自身と誇りを持って欲しい。


 かく言う橋下さんも、本人が「総理大臣」であれば、野田さんと同じ判断を下しているだろう。今は一介の市長だから、好きな事が言えるが、一国の首相ともなれば、原発の安全性、基幹エネルギーの問題、そこから発生する経済問題、等を多角的に総合判断して再稼働に向かわざるを得ない。ほんとのバカでない限り。



 橋下さんは、考えは幼いが、そんなにバカではないと信じている。