【首都地震】東京都が被害想定見直し 多摩など震度7 死者は9700人
   
2012/04/19 09:48更新
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/disaster/557379/


■4パターン想定

 

 東京都は4月18日、首都直下地震など4パターンの地震で起きる新たな被害想定を公表した。2006(平成18)年の想定では東京湾北部を震源とする首都直下地震で最大震度は6強だったが、最大震度7の地域が生じ、6強の地域も拡大、首都圏にも被害が及ぶ恐れがある。死者数は約6400人から約9700人に増えた。東日本大震災を踏まえ、マグニチュード(M)8超の地震も初めて想定し、津波被害の発生も見込んだ。東京湾沿岸の最大津波高は2.6メートルに達したが、死者は出ないとした。


 想定はこの日、防災会議で地震部会(部会長・平田直東大地震研究所教授)が報告。都はこれを踏まえ、地域防災計画を修正し、9月までに素案をまとめる。


 想定したのは東京湾北部地震(M7.3)▽多摩直下地震(M7.3)▽元禄型関東地震(M8.2)▽立川断層帯地震(M7.4)-の4タイプ。津波被害発生のモデルとして元禄型関東と活断層で発生する立川断層帯の2地震を06年想定から新たに加えた。

 東京湾北部地震と多摩直下地震では、文部科学省の研究チームが3月、想定される震源の深さがこれまでより浅くなるとした調査結果を反映。大田区や品川区、八王子市、日野市、昭島市などで震度7の地域が出た。元禄型関東地震でも大田区や品川区、町田市で、立川断層帯地震では立川市や福生市などで震度7の地域が生じた。震度6強以上の地域は東京湾北部では区部の7割、多摩直下では多摩の約4割に及んだ。


■湾岸で津波2.6メートル


 東京湾北部地震の発生時間を冬の平日午後6時(風速8メートル)と仮定した場合、建物倒壊や火災による死者は約9700人、負傷者約14万7600人と算出。23区西部から南西部、東部の荒川沿いの木造住宅密集地域を中心に火災が発生、約20万棟が焼け、死者約4100人に達するとした。


 今回初めて想定に加えられた元禄型関東地震による津波は東京湾岸で最大2.6メートルとされ、伊豆諸島などでは最大22メートルの津波が起きる。波が川をさかのぼるのを防ぐ水門が機能すれば、河川敷が浸水する程度と分析。水門が開いたままでは建物が全半壊する可能性も指摘したが、死者は出ないとした。





いすけ屋


 ここのところ、地震想定の拡大ゴッコが流行っているようだ。もちろん最悪を想定しておくのは間違いではないが、放射線と同じで、やたら恐怖を煽っている。テレビは視聴率、新聞、週刊誌は販売数を上げるため、センセーショナルな話題をばら撒いているとしか思えない。


 100分の1と100分の1の確率が同時に発生する確率はゼロではないがゼロに等しい。この発表もそれに類するもので、最悪中の最悪を取りだした予測に過ぎない。今回の想定は震源の場所が10キロ浅くなったため、震度6強以上の地域が1.7倍、23区の70%に広がり、被害想定が拡大したという。震源の場所が10キロ浅くなったのではなく、予測を浅くしたのである。このように予測はいくらでも調整できる。せいぜい東京の人は、首をきれいに洗っておく事と、必ず名札をつけておく事を忘れないように・・・。


 東日本復興では、賢明な策が実行されている。めったやたらと想定を大きくせずに、宮城県では、県内で数十年から百数十年に1回程度発生する「頻度の高い津波」で想定される波の高さや、設計上必要な堤防の高さなどを決めている。それでも従来の堤防の高さは1・8~4・5メートルで、最大で9メートル上回る。ほかにも多くの地域で、堤防を従来よりも数メートル高くする必要がある


 基本的には、「頻度の高い津波」に対しては堤防や防波堤で防ぎ、東日本大震災のような「最大クラスの津波」には、堤防に加えてスムーズな避難などの対策を充実させるとしている。これは費用対効果を考えた賢明なやり方だ。一方、岩手県では明治三陸地震(1896年)や昭和三陸地震(1933年)など「数十年から百数十年に1度発生する頻度の高い津波」を想定し、人命を守れる高さで再建することにしている。


 いくらバカでかく被害想定を出しても財政的に無理ならば絵に描いた餅(この場合は毒まんじゅう?)だ。公にこういうものを発表しても、行政の出来る事はたかが知れている。計画は立てられても予算が組まれ執行されるのが仮に50年後では、次世代の問題だ。後は自己責任に委ねられる。日本は、国の玄関の成田空港の真ん中に居すわっている民家の土地すら収用できない情けない国家である。国としては何も出来ない癖に、恐怖だけは煽る。


 やはり、マスメディアは地震、津波、放射能、と死を人々の目の前にちらつかせ不安をかきたてるような情報を次々と垂れ流し、視聴率、販売部数を伸ばし、儲けているだけのことである。誰かがこの手を「不安産業」って言ってたが、まったくその通りだ。


 人は自然の中に生かされている。よって自然の異変により命をなくすことがあっても、それでよいではないか。自然(土)に帰るだけのことだ。