いすけ屋


 水島トンネル事故の続報である。高性能水中カメラを遠隔操作して、横坑の全体が見えてきたようだ。直接の事故原因は先端部10mが土砂で埋まっており、上部がくぼみになっていることから、掘削機付近で崩落した事は確かなようである。


 こういう後追い記事がなくなり、世間が事故の事を忘れてしまうと、うやむやにされる可能性もある。山陽新聞さんには、粘り強く後追い取材を切らさずに続けてもらいたい。そうでないと、下請けで亡くなられた方々に申し訳がたたない。


 大手建設会社の調査不足は決定的であるので、技術過信、おごりを反省し、再発防止に努めてもらいたい。




先端部破損し土砂流入 岡山県警 水島トンネル事故
     
(2012/4/16 12:52)
http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2012041612523438/


 倉敷市・JX日鉱日石エネルギー水島製油所の海底トンネル事故で、岡山県警捜査1課は16日、横坑内の実況見分結果を明らかにした。先端部が土砂で覆われている以外は異常なく、「何らかの原因で先端部のセグメント(内壁ブロック)が破壊され、海水と土砂が流入した可能性が高い」とほぼ結論づけた。


 実況見分は13、14日、岡山労働局などと合同で行い、ケーブルの付いた高性能水中カメラを遠隔操作。立て坑底部(深さ約34メートル)から延びる横坑について、事故当時、掘削中だった約160メートル地点までを入念に調べた。


 その結果、入り口から約150メートル区間は1メートル前後の土砂が堆積し、セグメントに目立った損傷はなかった。しかし、最先端部の約10メートル区間は内径約4・5メートルの天井部まで土砂が積もり、大型掘削機のシールドマシン(重さ約140トン)は埋もれた状態とみられる。ほぼ真上の海底には巨大なくぼみが発見されており、県警は「先端部で何らかのトラブルがあった」と分析。今後、シールドマシンの引き揚げ方法なども検討し、原因を解明する。


 事故は2月7日に発生し、掘削中の作業員6人のうち、5人が死亡。県警は業務上過失致死容疑で捜査している。



水島トンネル横坑先端部以外に異常なし 岡山県警など内壁調査
     
(2012/4/15 8:16)
http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2012041508161869/


 倉敷市のJX日鉱日石エネルギー水島製油所の海底トンネル掘削工事中に作業員5人が死亡した事故で、岡山県警と岡山労働局などは14日、原因究明のため横坑内の調査を前日に続いて行った。関係者によると、新たに水中音波探査機(ソナー)を使い、内壁を調べた結果、横坑先端部以外に大きな異常は見つからなかった。


 前日使用した水中カメラに加え、遠隔操作式のソナーを併用。音波の跳ね返りでセグメント(コンクリートの内壁)の形状を測定した。


 横坑は内径約4・5メートル、長さ約160メートル。立て坑直下から約150メートル先までのセグメントは傷が多少入っていたが、海水や土砂が大量に流入するような破損箇所は見当たらなかった。


 そこから約10メートル先の最先端部は天井まで土砂に覆われていることが前日の調査で分かっている。大型掘削機「シールドマシン」(約140トン)も埋まっているとみられ、この周辺で事故が起きた可能性が、2日間の調査で強くなった。


 関係者は「横坑内の様子がある程度確認できたことで、事故原因を絞りやすくなった」としている。県警と労働局は調査結果を踏まえ、今後の捜査方針を近く協議する。