結局、何がしたいのか 自民党河野太郎
(日刊ゲンダイ6月27日)



「脱原発」「執行部批判」で吠える、吠える   



 国会の会期70日間延長を諮った22日の衆院本会議採決で、党の方針に「造反」して賛成に回った自民党の河野太郎・前幹事長代理(48)。


 メンツ丸潰れの党執行部は、この時期に議員に配る100万円の”氷代”(政策活動費)を凍結したほか、今週にも党員資格停止の処分を下す方向で検討している。


 もっとも、河野が党にかみついたのは、今に始まった話じゃない。原発を推進してきた自民党にあって、以前から”脱原発”の持論を展開。今月、中堅・若手らと立ち上げた脱原発議遮の会合では、「原発一本やりの自民党を変える」と気勢を上げていた。


 公務員制度改革にも熱心で、つい最近も自分のブログで、国交省OBの天下り問題を取り上げて「自民党と民主党の歴代大臣が何もしなかった。だから官僚になめられる」と切り捨てている。


 そういえば、09年の総裁選では森元首相らの長老支配に対し、「腐ったリンゴを樽に戻せば全部腐る」と痛烈批判した。河野の言っていることは至極まともなのだが、かといって、党を割って出るわけでもない。何を考えているのか。政治評論家の有馬晴海氏が言う。


 「河野氏は最近、こんなことを言っていました。『来年の自民党総裁選で総裁に選ぱれ、再来年までに行われる衆院選で政権交代が実現すれば、俺が首相になる』と。本気でそう考えているのです。ただ、それは自民党を出てしまっては実現し得ない。国民の人気がありながら、離党して存在感が薄くなった舛添元大臣の轍を踏まないつもりなのでしょう。残念ながら、党内では依然としてキャンキャン吠える”変人”扱いですが、小泉元首相のように、変人から総理になった例もありますからね。この先、どうなるか分かりませんよ」


 もっとも、その時、自民党に政権を奪回できるようなパワーが残っていれぱの話である。



いすけ屋



 河野太郎に対する処分は、「党員資格停止」では甘すぎる。浜田和幸、岩屋毅の両名と共に除名処分が適当だ。今は政局どころではないという、1割にも満たない世論にたぶらかされて、問題の本質を忘れたピンボケ行為は、自民党員として、党の足を引っ張った。今は菅を辞めさせることこそが国益に通じるのだ。



 菅のもとで、どんなに頑張っても、成果はあがらない。誰だったが忘れたが、こんな言葉がある。「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば兵は動かじ」。叱られてばかりでは、嫌になる。中間幹部が代わっても、トップが代わらなければ何も変わらない。こんな簡単な事が読めない政治家は、政治家として失格だ。少なくとも自民党には要らない。



 谷垣さん、今こそ毅然たる態度を国民に示す、チャンスだ。予想通りだったと、みんなをがっかりさせないでくれ。