裏献金、接待…小沢秘書公判、生々しいゾ!贈賄元社長が証言   
2011.04.27
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110427/plt1104271559004-n1.htm


 小沢一郎・民主党元代表(68)の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる政治資金規正法違反(虚偽記載)事件の公判で、中堅ゼネコン「水谷建設」の元社長の証人尋問が27日、東京地裁で行われた。元社長は工事の受注を期待し、小沢氏側の要求に応じて計1億円の「裏献金」を提供したと証言した。小沢氏自身の裁判だけでなく、今後の政局にも影響しそうだ。


 「議員会館の小沢先生の部屋で(秘書から)要求され、お支払いした。小沢先生の地元のダム。力が強い小沢事務所に反対されると工事に参入できないと聞いていた」


 水谷建設の川村尚元社長(53)は、検察側の質問にこう証言した。小沢氏側への裏金提供を当事者が公の場で言及したのは初めて。


 証言によると、川村元社長は2003年11月、協力会社社長の紹介で、議員会館の小沢事務所で元公設第1秘書、大久保隆規被告(49)と会い、胆沢ダム(岩手県奥州市)建設工事の下請け受注を依頼。大久保被告から「同業者より遅い」と言われたという。


 同年の大みそかには、大久保被告の自宅を訪れ、お歳暮として現金100万円と高級牛肉を渡し、その後、料亭で4~5回接待。


 04年9月に、議員会館で大久保被告から「それぞれの工事業者決定後に5000万円ずつ」と要求され、「分かりました」と応諾。「同年10月15日と05年4月中旬ごろに支払った」と語った。


 公判で検察側は、この1億円の「裏献金」受領を隠すことが、虚偽記載の動機だったと主張した。ウソをつけば偽証罪に問われる証人尋問で、川村元社長が語った意味は大きい。


 一方、大久保被告や衆院議員の石川知裕被告(37)らは、一貫して裏金の受け取りを否定している。




水谷建設前社長1億円証言   
(日刊ゲンダイ4月28日)


 真相解明にはホド遠い内容だった。きのう(27日)、東京地裁で開かれた「陸山会事件」の裁判。事件の”最大のヤマ場である水谷建設からの裏献金疑惑について、水谷建設の川村尚前社長(53)が証人出廷。衆院議員の石川知裕被告(37)に「5000万円を渡した」と証言した。しかし、客観的な証拠は何も示されず、疑問だらけだった。


①「裏金の真実性


 川村氏は常務を経て、03年11月から09年8月まで社長。現在は執行役員として、東日本大震災のを旧工事に向けて東北地方で指揮を執っている。

 その川村氏はきのうの法廷で「(被告の)大久保隆規元秘書から現金1億円を要求されて従った」「04年10月15日に赤坂の旧全日空ホテルのロビーで(石川に)会って5000万円が入った紙袋を渡した」と検察の筋書き通りに証言。しかし、「百パーセント真実」と心証を得られるような具体的なやりとりは明かされなかった。傍聴した弁護士がこう言う。

 「川村証言だと、04年10月15日は仙台出張から正午過ぎに東京に帰り、石川に午後2時か3時に会った後、東京駅から新幹線で名古屋に行き、午後6時半から桑名市で接待の仕事をしたという。カネを渡す約束は前日に大久保としたと言っていました。しかし、ヘンな話です。だって、5000万円といえば大金です。分刻みの多忙なスケジュールの合間を縫って気軽に渡すような金額ではありません。約束した大久保本人も都合が悪く同席できなかった。それなら日時を変えれぱいい話です。なぜ、10月15日にこだわる必要があったのか。全く分かりません」

 ナゾはまだある。川村氏がたった「1人」で石川と会った理由だ。

 「5000万円を渡すのに社長が1人で行くとは到底、信じられません。しかも、当時、絶対的な権力を持っていた水谷会長に相談すらしていないのです。業界では、こうしたカネを渡す際は必ず複数人数で接触するのが”慣例”。相手側から 『もらっていない』とシラを切られたら反論できないからです。しかも、川村氏は石川の顔をよく覚えていなかったという。知らない人と会うのに事前に携帯電話の番号なども確認せず、カネを渡した直後に大久保に連絡すらしなかった。あまりに不自然です」 (前出の弁護士)


「脱税事件を見逃した検察の怠慢」 


 前回の公判に続き、東京地検特捜部のデタラメがまた明らかになった。

 「川村氏は09年7月に東京地検で『陸山会事件』の聴取を受けた。その際、裏金づくりの手口について語ったという。しかし、これが本当なら大変な話です。なぜなら。法人税法違反で捕まえることも可能だったからです。社長が脱税の手口などをバクロしたのに、検察はなぜか立件しなかったということになります」(司法ジヤーナリスト)

 特捜部副部長として石川を取り調べた吉田正喜検事(54=現法務総合研究所研修第2部長)も前回の公判で同じような”手口”を証言している。1500万円の「ワイロ」を”告白”した石川の供述メモを目の前で破り捨てるパフォーマンスを披露し、「本スジを認めろ」と迫っていたのだ。「水谷裏金」捜査では、こんな検察のインチキ捜査手法があらゆる場面でまかり通っていたのである。


「やっぱり捏造だったTBSスクープ」  


 TBSは昨年1月、「水谷裏金5000万円」疑惑を放映した。水谷建設に近い関係者という男性が、04年10月15日に5000万円授受の瞬間を”目撃”したという証言内容だったが、きのうの法廷ではスクープのデタラメがバレた。

 例えば、報道では〈舞台は都内ホテル喫茶店〉とされたが、川村氏は面会場所を「ホテルフロント前のロビー」と証言。

 〈テーブルの上に(カネの入った)紙袋があった〉という内容も、足元に置いた紙袋をスライドさせた」(河村氏)。
受け渡し現場には、同席者がいたと報道していたが、これもウソだった。そもそも「水谷裏献金」については当初から信憑性が疑問視され、立件すらされていないヨタ話の類い。それなのに公判では”本件”のような扱いだからメチャクチヤだ。



いすけ屋


 同じ事件の報道でも、新聞社によって、こんなにも違ってくる。さて、あなたはどちらを信じるか。上の夕刊フジ系の報道ではまさに「反小沢」で固まっているから、「生々しいゾ!贈賄元社長が証言」というタイトルからして、よくわかる。


 一方、日刊ゲンダイは小沢支持新聞なので、前社長証言のまともでないところを事細かくあげている。いちいち納得出来るのは、私だけだろうか。世論は既に「小沢悪し」で固まっているから、既にそういう印象で見ている人からは、ご批判を受けるだろう。だがしかし、この証言は検察が大手新聞に垂れ流したものと全く同じで、証拠がない。


 仮に事実なら、その時点で水谷建設に、下の記事にもあるように脱税事件で立件されてしかるべきだ。日本には司法取引は認められていない。したがって、直ちに前社長は逮捕されなければならない。やはり、何か他の物件と取引したとしか思えない。


 検察はこれまで独断でストーリーを描き、そのストーリーにあうように調書を作ってきた。其の時の調書で進めている裁判で、ストーリー通りの証言をしたからと言って、確固たる証拠も無く、おかしい点はいくらもある。しかも、前社長の上司たる水谷元会長が、今度は弁護側から出てくる。


 さて、どうなるか。真実はひとつ。大手新聞と記者クラブに入れない三流新聞と、どちらの報道をあなたは信じる?