満開の桜に酔いしれていた時間はとても短く、

昨日の雨で地面に落ちた桜の花は茶色く変色しています。

桜の木にはまるでアイドルのように人々が集まり、

その景色を争って楽しんでいたのに、地面に落ちて変色した桜の花は

ゴミとして邪魔者のように処理されていきます。

桜の木は新緑の緑になると誰からも注目されなくなり、ただの風景となります。

今は春の風に桜の花びらを滲ませて、これでもかと存在を人々にアピールしています。

風の色に僕らが気付き、来年のこの時期まで見向きもしないのではなく、変わり果てた桜の姿も

優しく見守ることをきっと桜の木は願っているのでしょう。