2023.4.26 Wed. 甲寅 先負 雨
Wed.「おすすめ邦画『羅生門』の事」続玉葉 #18
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まずは1曲
フジテレビ系 水曜19時台後半枠→火曜19時台後半枠「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」(1996-1998年)第1話-38話OPテーマ・JUDY AND MARYで『そばかす』(カヴァー)
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原作は芥川龍之介の「羅生門」ではなく『藪の中』、そのまた原作は『今昔物語集』の「妻を具して丹波の国に行く男、大江山にして縛らるる語」。
『今昔物語集』は全体的に深刻な話も笑い話や教訓話にしてしまう傾向があるので、この話でも死人は出ない。
芥川の『藪の中』では殺人事件の当事者の異なる証言を並び立てるが、結論は出していない。
映画版では、死体発見者の杣売り(演・志村喬。『藪の中』では木こり)の検非違使庁での証言も虚偽であり、実際には事件の一部始終を目撃しており、当事者の証言はみな保身のための嘘八百という醜悪なもので、あろうことか杣売り自身も検非違使庁での虚偽証言に加え、拾得物横領の罪をおかしており、雨宿りの退屈しのぎに話を聞いていた下人(演・上田吉二郎)からはなじられ、旅法師(演・千秋実)からは呆れ果てられてしまうのでした。
しかしながら、クライマックスで杣売りの取った罪滅ぼしの行動が、人間不信になりかけていた旅法師を「もう一度人間を信じてみよう」と思わせるところがこの作品のキモであり、黒澤明監督が最も云いたいコトだったのだ。と、思いました。
この項 了
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