これも時勢のなせる業 | 伊勢守日記

伊勢守日記

吾妻鏡的、当たり障りない美辞麗句の公式記録。

■2016/07/13(水) これも時勢のなせる業
丙申 四緑先負 小雨

人に聞く。

従五位上伊勢守杉野(鴫宮ディーノ勢州)、6月からの日常、5月までの日常と異なり、6月下旬より空腹時胃の疼痛あり。
7月中旬より食後の疼痛加わりいよいよ耐えがたく、医博士の門叩く。

医博士、かつて一世を風靡した某占い師のように「あんた死ぬよ!生活習慣を改めなさい」と居丈高に言う。

伊勢守、心の中では「(天平宝字元年=757年施行の養老令によれば、医博士なぞ正七位下の地下人。我は従五位上で昇殿しミカドさまに拝謁できる準貴族。嗚呼!世も末よ)」と思うも病で気力もなく「ご高説賜りました」と平伏す。


勢州述懐す、「花の御所にて現地赴任でない国司を勤めること7年。同僚3人が在職のまま亡くなり、そのうち1人のことはよく知らないけれど、知っている2人があの世からおいでおいでしている夢はよく見る」

「人の運命などワカラン。いくら健康に気を使っても明日巨大地震に見舞われ箪笥の下敷きになるかも知れないし、キキキリンのように全身がんになっても思いもよらず長生きするかも知れない」

「義務感でない、どうしてもそうせずにはいられないこと、それをしなければ死んでも死に切れぬことを『願い』という。(By:池田勇人元首相の秘書官、大平正芳元首相の相談役だった伊藤昌哉氏)
ワシにはまだ『願い』がある」

「昭和の時代、成人男性は煙草を吸うのが当たり前だった。デスクワークなら職場は煙でモクモク、会議が紛糾すれば灰皿が飛び交ったものよの」

「だが今は喫煙者はひじょーに肩身が狭い。もう正直言ってイケてないし、女にもモテないのは明白也哉」

「オレ、この検査が終わったら禁煙するんだ」





(了)