辛丑 五黄仏滅 晴
或る人云う。
勢州、電事故遅延。
途中駅からの乗り合いバス四十分に一本也。
停留所でなぜか正五位上白瀬右近衛少将どのに偶然出会う。
右少将、勢州のほのかな憧れの君(?)なれど、実際にはさほど親しくはなく、挨拶を交わし何事もなく過ごす。
以前の勢州ならインチキ卜部ぶりを発揮し、生年月日、血液型、ついでにメルアド(今ならライン アイデーやSNSのあかうんとか?)を聞き出すところなれど、もはや往年の気力も財力も消え失せ、ただ足が竦むのみ。
それもこれも、期待を裏切られ続けた傷の深さゆえで、ただただ痛ましいと云々。

おミズ!!
(了)