アービトラージとマルチプル ☆☆☆☆☆ | 川端 裕の出会い日記

アービトラージとマルチプル ☆☆☆☆☆

今日は日曜日恒例の終日ルーティンワークとか。



さて、今日の出逢いはこれ。




大前 研一, 吉良 直人
大前研一「新・資本論」―見えない経済大陸へ挑む


刊行当初から読もう読もうと思いつつも、どういうわけか今まで縁がなかった本。




◎今、世界で繁栄している所はいずれも「国家」ではなく「地域」である



日本の凋落は日本国民の凋落ではない



◎インターネット上に蓄積された知識の1%以下しか日本語で書かれていないのだから、日本の影響力の低下は免れない



◎今や富というものは、不動産とか金塊など、何らかの物質の集積という形では存在しなくなってしまっている



◎富はネットワークでつながったデータバンクにある記録という形、つまりITの中に存在している



◎株価そのものはたとえ市場の過剰期待に基づく錯覚であっても、それをもとに実態のある企業を買収することによって、当該企業にも実態が生まれる



◎世界最大の産業は、実は滞在型の観光旅行である



◎この旅行市場は、売り上げ規模でみると自動車産業よりも大きいのだ



◎今や企業は、R&D、生産、人事、財務、情報システム、さらには営業までもグローバルな規模で人材のアービトラージの効果を働かせることができるようになっている



◎三分の一をドルに、三分の一をユーロに、そして残りを円建ての金融商品に転換し、ドルが強いときはドルで、またドルが弱い時には、ユーロもしくは円で支払う



◎こうすることによって、消費者は、通貨を管理する度の政府が政策ミスを犯したとしても、その影響を回避することができる



◎近いうちにeコマースによる小売業者に優遇税制が与えられるようになるだろう



◎世界中の政府が、何らかの税金を払ってくれる市民を求めて「サイバー戸籍」を発行し、住民を争奪する時代が遠からず来る



◎限られた人数のカリスマ性を持ったプロフェッショナルのもとに、どんどん多くの「消費者」が集まるに違いない



◎ユニークな経験を提供できる人は「可処分所得」のかなりの部分を全世界の消費者から瞬時、かつ同時に獲得することができるだろう



◎あまりにも選択肢が多い世界では、人は選ばなくなる傾向がある



◎そして、正しい選択を代わってやってくれるような売り手の出現を待つようになる



人気が価格を決めるのである



◎品質でもなければ、コストでもなく、また当然のことだが競合でもない



◎感情が最大の金儲けの種となる



最大の消費者パワーと最大の可処分所得をもった市場を選ばなければならない。単なる人口や生産の潜在力よりも、その方がはるかに重要である



◎eコマースで勝利をおさめる経営者は、サービスの三位一体、すなわちポータル、決済、ロジスティックス・オペレーションをすべて一元的に保有する者になるだろう



◎新たに買うべきものは何もない。その例外が、自分たちの人生をよりよくしたり豊かにしたりするような経験や機会である



◎最終的に誰と誰が競争するようになるかはもはや規定できない



◎「ビジネスの戦場」といった概念もすでに時代遅れのものである



◎全領域から、いくつもの競合企業が出現し、誰が有力なのかも常に変わり続ける



◎「アンフェア(不公正)競争」という言葉も、20世紀の遺物として博物館入りすべきものである



◎これからの世紀には、競争は本質的にフェアなものとならざるをえないからだ



◎予測も予知もできない変化が起きても自分たちがそこを維持できるような場所を、自分たちの戦略ドメイン(支配地)として切り出す



◎顧客ベースこそが、結局はこの戦略ドメインの領域を決定する



◎企業買収において企業の将来について共通のビジョンが描ける場合、統合はスムーズにいく



◎重要なことは、顧客の変化に敏感に対応することであり、金融市場に対してそう焦って動く必要はない



◎新たなプラットフォームを確立した者は、それに完全に取って代わるような新しいプラットフォームからの脅威には弱い



会社が人間改造するのではなく、自己啓発によってインターネットの世界用に自らを改造した人々がネットワークやプラットフォームに乗っかってくるように仕掛けを作ることがより重要になる



◎地域国家が繁栄するには、グローバル社会に何らかのサービスを提供できるような教育水準の高い人々の層が形成されていることが必須である



◎今日の世界経済は、伝統的な国家政府から下に向かっては地域国家に、そして上に向かっては超国家経済圏にと、パワーシフトが同時に起こっている



◎1999年に東京や大阪で生まれた赤ちゃんは、表面的に日本の景気を刺激するだけの借入を返済するだけで、一生の間に七五〇〇〇ドルを負担しなければならない



◎世界財政オリンピックというものがあったとすれば、日本は債務という種目で金メダルを取れる記録と作ったのである



◎完全雇用を保証するよりも、ずっとハイクオリティーな生活を享受する方法がある



◎米国が自国で促進したのと同じような自由化を日本にも促進したなら、米国が実際に信頼に足る、世界の指導者にふさわしい存在であることを、日本に、世界中に、そして米国自身に対して宣言することになるだろう



◎投機に対する最善の対抗策は、自分を実際よりも偉く見せるように装い、それを世界に見せるのではなく、真の競争力を身につけた経済を開発していくことである



◎強い意志の力で投機を阻止しようとする政府のみが、投機家たちの餌食になる



◎そうした動きを政府が取れば、投機家には通貨市場をコントロールしようとする政府の努力の裏をかき、アービトラージを果たす機会が生まれるからだ



◎中国市場はヘッジファンドのアービトラージャーたちの天国になるに違いない



今後一世紀の間の起こる世界大戦とは、一発の銃弾も発射されず、流血を見ない戦いである可能性が高い



◎そうした戦いのほとんどは仮想空間で起こり、マルチプルが武器として使われる



◎戦争がイデオロギーや政治的な理由だけで行われることはまれである



◎また、戦争というものが単なる憎しみによって引き起こされることもまれである



戦争が起こるのは未解決の利害対立があるためなのだ



◎利害対立とは、二国以上が、ある国が存在することによって、富をつくり出す機会を邪魔されていると考えることから起こる対立なのである



◎すなわち、富の創造と配分こそが、根源的に戦争を引き起こすものなのである



◎自らの潜在成長力を説得力を持って示せる企業や国であれば、富を創出することができるし、少なくとも社員や国民に富を再配分することができる



◎日本の国民は、まだ採掘されていない金鉱の上に座っているようなもの



◎我々にはおよそ、13兆ドルという世界最大の個人貯蓄があり、そのほとんどは銀行や郵便貯金に預けられており、たった0.3%の利子しか稼いでいない



◎貯蓄の一部分、すなわち約5%の全資産を使わせてもらえれば政府が借り入れた不要な借金(正確には2.9兆ドルの国際)を返済してしまうこともできる



◎そのあとは過去に引きずられることなく前進するのみ



◎忍耐強く働き続けた社員は、その富の一部が、いつか公正に分配されると期待することができた。しかし、この考え方はもはや通用しない。その富はアービトラージを行うものが奪い去ってしまう



日本の土地供給が不足しているというのは全く事実ではない



◎東京の半径50キロ圏内には、17万ヘクタールの農地があり、主に米作に向けられている



◎17万ヘクタールというのは、東京圏で現在住宅に使われている不動産の実に10倍である



◎ということは、米や他の穀物を海外から輸入することによって「我々に必要な土地」も輸入できるのである



◎戦後期以来日本では広大な都市部の土地、特に主要都市の海岸沿いの土地が工業用地に向けられてきた。ところが今やその多くは「見捨てられた工場群」として残っている



◎都心から10分以内の距離に何千ヘクタールもの使われていない土地が廃墟のように眠っており、これを住宅地に変えるには日本がただ不動産政策の「リセット」ボタンを押して、用途規制を住宅地に変更してしまうだけでいいのだ



◎現在日本には(たいていの国でもそうなのだが)個人が資産を保有するという概念自体がまず存在しない



◎個人には給与所得があるだけであり、それゆえに「サラリーマン」なのだ



◎個人はキャッシュ「フロー」で生計を立てる存在であり、資産と負債からなるバランスシートを形成する存在だとは考えられていないのである



◎減価償却の概念を個人の税制に導入すれば良い



◎そうすれば、個人にも富を形成するための住宅という高価な道具に投資をするという選択肢が生まれ、何年かにわたって減価償却を税金の申告時に計上し、税金の払い戻しを受けることができる



日本の敵とは誰なのだろうか。日本の国会ではこの質問に対するコンセンサスは存在しない



◎日本人が自らの敵がだれなのかを定義することができない状態で、一方では日本が敵だと目立つ形で声高に発言している国が世界に一つある。それは米国である。東京都下や周辺の首都圏にある米軍基地は、事実上、日本の納税者の負担による、米国の日本占領の継続と言ってもよい



◎これが継続されたのは、日本人が質問しないからであり、それは察するところ、神々が目を覚ましてしまうことを恐れているからである



◎政府、企業の意思決定と個人金融に関わる「スーパー・ミクロ経済学」を区別することがますます難しくなる



◎我々は常にオークションにかけられているのである。我々の労働の価値は常に実証的に決定することができる。決めるのはアービトラージである



◎1億8千9百万人の人口を有するインドネシアは、国連では3万人の人口しかいないカロリン諸島のベラウと同数の投票権しかもっていない



◎そして、人口が45万4千人しかいない(1990年当時)ワイオミング州が、ほぼ1800万人の人口を抱えるニューヨーク州と同じ数の投票権を米国の上院にもつこともおかしい



◎中国の政府関係者が国際会議で発言する場合、それが国民の声を代表したものなのか、それとも自分自身の利益のために発言しているのかは我々には不明だ



◎ロシアに関しては、政府関係者の発言は、ほぼ100%が自らの政治生命を延ばすためのものであることがわかっている



◎日本人の無関心はまさに文部省の教育の勝利なのである



◎文部省は意図的に日本人が怒りを表明することを恥と感じるように訓練してきた



◎しかしながら、この大人しさや従順さは若い世代には引き継がれていない



◎現在30代から40代の初めにさしかかっている「少年ジャンプ世代」は、それより上の世代とは根本的に異なっている。彼らには貧しく困難な時代や生活を経験していないため、不屈の精神も、想像力も熱意も欠けている。彼らは喪失の世代であり、現在の日本経済が停滞している一因でもある



◎というのも、年齢的に彼らこそが、労働人口の中核をなしているからなのだ



◎しかし、彼らに続く「任天堂キッズ」世代は期待が持てる。ロール・プレイング・ゲームがこの世代の性格に大きな影響を与えており、彼らはすべての可能性を追求して試してみる。柔軟であり、上のどの世代よりも創造性に富んでいる。だが、そうした彼らにも一つ問題点はある



◎状況が厳しくなると、彼らは人生もテレビゲームであるかのように対応し、「リセット」ボタンを押してしまうのだ。彼らはすぐに転職し、新し土地に移り、これまでとは全く違うキャリアへと転換してしまう



今必要な教育とは、何十年も通用する知識を教えることではなく、現状を打破する知恵と勇気を身につけさせ、一生をかけてさまざまのことを学んでいく能力なのだ




アービトラージとマルチプル。


簡単に言えば「さや抜き」と「増幅システム」



それ自体は昔からあった。




でも、インターネットが一般化した現代では、「さや抜き」の機会は格段に増え、「増幅システム」の倍率も何百倍、何千倍にもなっている。



目ざとく抜いたさやに、即座に何百倍のてこを利かす。




そうして得た(架空の)利益で実態のある企業や現実の不動産を買い漁る。




これは、言ってしまえば「うつろ」が実体化する、すなわち「無から有を生み出す」ということ。




これはもう「資本論」で語られている資本主義とは似て非なるものと言っていい。


まさしく新たな資本主義。




というか、ここまで変貌を遂げた資本主義を「資本主義」とはもはや言えないような気もします。




大変多くの気付きを頂戴致しました。


感謝!ラブラブ





さて、明日はどんな素敵な出会いがあるのかな?


楽しみ!  






☆お知らせ☆


大変ご好評いただいております『会社を辞めて成功する人失敗する人―2時間でわかる 』ですが、アマゾンさんには掲載されていない『本のメリット』を下記に記載するように致しました。


ご参考まで・・・。




ビックリマーク会社を辞めて成功する人失敗する人―2時間でわかる 』を読み

はじめて2時間たつと・・・


OK 本当に今会社を辞めて良いのか、今が本当にそのタイミングな

のかがわかる!


OK 実際に会社を辞めることになった時の、絶対に外せないポイン

トがわかる!


OK 退職を「成功への1ステップ」にしてしまう人たちの共通の特徴

がわかる!


OK 会社勤務にまつわる「7つの常識」の間違いがわかる!


OK 将来「この判断」が正しかったのかどうか二度と迷わなくなる!


OK あなた自身が気付いていない「本当にあなたがしたいこと」が

何なのかわかる!


OK それを確実に実現するための最短距離がわかる!


OK 最高の退職計画の作り方と、その重要ポイントがわかる!


OK みんなが知らない「綺麗」に会社を辞めることの圧倒的メリット

がわかる!


OK 上司、同僚に実際に退職を切り出す際のベストタイミングの

決め方がわかる!


OK 「なるほど。それなら応援するよ!」と周囲に言わせる退職

理由のヒミツがわかる!


OK 引き止められてしまった時の間違いのない対処方法が

わかる!


OK 「さすが!」と唸らせる引継マニュアルを簡単に作るコツ

わかる!


OK 年金、保険で絶対に悔しい思いをしないための最低限の

チェックポイントがわかる!  etc





とても「お買い得」な内容です。


「どうしよう・・・」とお悩みの方にはきっとお役に立てる内容だと思います。


是非、お買い求め下さい。




※本の基になったガイドブック「たった60分で会社の辞め時がわかる!」 は引き続きお配り致しております。


本を買うほどではないけど、ちょっと気になると言う方はこちらをご請求ください。(無料です)



ただし、PDFファイルのみの配布とさせて頂きますことをご了承願います。



申し訳ありません・・・。