最近読んでとても感動した本がある。 西川悟平さんの「7本指のピアニスト」

この本の著者、西川悟平さんは15歳からピアノを始め、見事音大に合格。
卒業後アメリカのピアニスト、ブラッドショー氏ににその才能を認められ、ニューヨークに渡り研鑽を続け、ピアニストとしてデビューする。 

前途洋々に思えたのだが、ジストニアという神経の難病にかかりまったくピアノが弾けなくなってしまう。
どんな治療をしてもあまり効果はなく、絶望のあまり自殺未遂してしまったそうだ。その後食べていくためにピアノ以外の仕事をしながら、あきらめずに何年もかけて指の状態を戻す努力をする。
その過程の中でお母さんの死など辛い出来事の重なる中、どうやって著者がどうやってもう一度ピアニストとして復活できたのかが書かれている。

とにかく勇気を与えてくれる本。 
私も指の怪我の後遺症で痛みがひどく、10年以上テーピングをしながら弾かなければならない時期があった。
まあ私など自宅でピアノを教えてはいても、リサイタルをするようなピアニストでもないし西川さんとは比べられはしないが、それでもピアノが弾けなくなるかも・・・と思った時の恐怖感は今でも忘れられない。もしコンサートピアニストなら弾けなくなったら自殺しようかと思うのも仕方ないだろう。
そんな逆境にもめげず、自分なりに使える指で弾く方法を探しながら、「どんな小さな曲でもいいからもう一度弾きたい」という気持ちになった、と書いた箇所を読んだ時には思わず「分かる、その気持ち!」と思ってしまった。
 
でもこの人の性格がとっても前向きで基本的に明るい人だからきっといい方向に進んでいったのだろうな、と思う。

うちの生徒たちにもぜひ進めたい一冊である。
それと、うれしい偶然があった。 うちの子供がレッスンを受けている旭堂楽器店で7月14日に西川さんのトーク&コンサートがあるというポスターを昨日見たので、さっそくチケットを購入した。
今からアップワクワクしている