大森みずほ

 

大森駅の東口の商店街にあった映画館。

同じビル内に黎明座という映画館もあったけど、

にっかつ(ロマンポルノ)の封切り館で、いつしか大森にっかつになっていた。

 

で、話はとびますが。

時に1977年。

10歳くらいで東映まんがまつりくらいしか見たことなかった少年が、

ある日突然、映画に目覚める。

 

映画といっても、その年に公開された

「宇宙戦艦ヤマト」「HOUSE・ハウス」そして、「サスペリア」。

 

ヤマトに対する熱狂が度を越していたのだが、

それから私の映像作家の師としては

松本零士、大林宜彦、ダリオアルジェント、という

ありがち、かつ歪んだ方向性に向かうのだが・・・

 

で、ヤマトの劇場版は見に行くことができたのだが、

ひと夏にそんなに何本もの映画を見に行かせてもらえなかったのだが、

ハウスは、大林監督の特集上映が多くなって、割とすぐに見れたのだが・・・

 

困ったのは「サスペリア」

大ヒットすると、割と早めに名画座で繰り返し上映され、

やりつくされた後は、全くかからくなり、

でもって、テレビ放送で(あんな映画を、マスキングや編集してたとしても)

ゴールデンの洋画劇場やら、土曜の昼から放送してて、

そこで見ることにはできたし、追ってビデオやら、DVDやらで見たことは見たのだが、

スクリーンで見ることができなかった・・・

 

で、大森みずほ。

1980年代初めごろまでは、浅草や、蒲田なんかで、

3本立ての名画座が結構あって、たいていはロードショー終わって

1~2か月たった映画をやってて、本数あわせのために、旧作をかけたりしてて。

大森みずほは、まさにそんな映画館で、洋画やら、日本映画やら、

たまに洋画のポルノなんかをアトランダムに週替わりでやってた映画館だった。

 

で、ある,1982~3年の夏、だったと思うが。

ぴあで「サスペリア」のタイトルを見つけた。大森みずほで。

夏休みで、アニメやアイドル映画ばかりでまったくノーマーク。

あわてて、時間も確認せず劇場前まで飛んでったが、

サスペリアは、上映終わって、次の映画が始まったところで、

それを見るには、途中の映画と、ほかの映画をもう1本見なくてはならず、

時間的に無理だったんで、諦めて帰ってきた大森みずほ。

 

(だが、そのあと、10年以上たってから

 キネカ大森で、ダリオアルジェント映画祭という粋な企画があって、

 ようやく、20年後越しで、初めてスクリーンで「サスペリア」が見れた。

 ほんとに、ほんとに、テレビのモニターではなく、

 スクリーンで、あの色彩地獄がみれて、涙が出そうだった・・・)

 

というわけで、大森にお住いの方にはたいへん申し訳ないのだが、

私にとって、大森はサスペリアの街・・・(大森在住の方、ほんとにすいません。)

 

結局、入ることはなかったけれど、

大森みずほ、いまもビルは残っていて

どうやら、サウナ?カプセルホテル?なんかが入っているようだが

(外装はだいぶ直しているみたい)

こないだキネカで、これまたアルジェント先生の旧作、四匹の蠅を見に行って

そのビルの前まで行ったが、ビルの感じは何となく覚えていて、懐かしかった。

 

で、大森みずほは、3本立て名画座から、洋画ポルノ2本立ての封切館に移行し、

いつしか、隣の大森にっかつと一緒に映画館としては閉館してしまったが・・・

 

あのとき、大森みずほでサスペリア見れたらよかったのになぁ~、と、いまだに思い出す。、

劇場の前に飾ってあった「サスペリア」のプレスシート(なぜか、持っている)を

悲しい想いで見つめながら、立ちすくしたのを、40年経った今でも覚えている・・・