ライオン座

 

相鉄線の天王町の駅から数分歩いたところにあった映画館。

 

で、私が住んでいたのは京急線の沿線で、

相鉄線に乗るということもなかったのだが、

横浜からたまにバスで帰るようなときに、

バス路線の沿道にB2サイズのポスターを上下に2段に貼る

看板?というかパネル?みたいのが、ところどころに設定されていて、

バスの車窓からそれを見るのが楽しみだった。

 

とはいえ、バスの路線上にはその映画館の外見は見当たらず、

なかなか相鉄線やバスで見に行くという機会もなく、

ずっと興味はあったけど、行くまでに時間かかってしまった。

 

結局、1回しか行かなかったけど、

観た映画も、映画館の印象も、よく覚えている。

 

見たのは「転校生」「セーラー服と機関銃・完璧版」

(と、「装いの街」→これは完璧版上映の際に同時上映されたけど、

 もとはテレビ番組。今では考えられないかもしれないけど、

 DVDの販売も、ネットで見直し配信もなかったから、

 たまにテレビ番組を映画館でやったりしてた。

 よく見たのは、ルパン3世のテレビシリーズで

 宮崎駿が演出した回をカリオストロの城と一緒にやってたもんだった。

 で、この「装いの街」はTBSの日曜9時の枠。

 東芝日曜劇場といって、連続ドラマではなくて、 毎週1時間の単発ドラマを放送するという

 しかも、それなりの演出家や、俳優を使ってて

 子供の頃は大人の見る枠で、興味はなかったんだけど。

 でも。「装いの街」は見ずに帰ってきた・・・・・)

 

見たかったのは、「転校生」

それまでの大林監督の映画といえば「HOUSE」や「ねらわれた学園」のように、

特撮つかった映画が多かったし、好きだったんだけど、

特撮なし・モノクロ(はじめと終わり)の地味な感じの映画で

しかも封切りは松竹系のGWに、和泉監督の「オン・ザ・ロード」と2本立て。

なぜこれをGWに??その後のスターウォーズ日本語版をやったほうによかったのでは??

 

食指がわかずスルーしてたのだが、あのマニアックな情報誌

「シティロード」の映画評で、高得点をあげていて、

見とけばよかったなーーーと思ったけど、なかなか名画座でもかからない。

(その後、この年度の賞レースで評判が上がると、

 秋に公開した蒲田行進曲と、翌年からあちこちでかかるようになったけど)

 

ライオン座では、セーラー服と機関銃・完璧版をやるときに

たまたま、一緒にやるのにちょうどいい映画がなかったのかもしれないけど、

まさに、待ってました!と言わんばかりに(多分、ちゃんと時間を電話できいてから)

バスだとどこで降りるのかわからないから、

相鉄線にのって天王町に行ったのではないかと(そこは曖昧・・・・)

 

で、ついたライオン座。

昔ながらのポスターと、スチール写真が展示されてるケースが並んだ映画館。

想像通り年季のはいった映画館だけど、横浜日劇とは違い庶民的な街の映画館。

そこそこ客の入りよかったんだけど、子供の頃、蒲田でみた東映まんがまつりの上映かと思うほど

子供や親子連れで沸いていて(セーラー服と機関銃で・・・)

まともに映画見れるのかどうか、びくびくしていたのだが・・・

 

始まると、どうだろう。

面白いところでは自然に笑いが起き、

静かなところでは食い入るように見ている・・・

今の応援上映じゃないけど、自然に観客が一体となった映画鑑賞体験。

 

果たして、目的の「転校生」を見終わり、

みんなが泣いてる、とかじゃないけど、なんか幸せな空気が広がっていた。

 

そのあと、大林監督特集、尾道3部作上映とかで何度かみたけど、

あんなほのぼのとした雰囲気の中で「転校生」を見れたのはまさにラッキー。

 

とはいえ・・・・

ライオン座はそういう感じの邦・洋混在、

で、割と子供から大人まで楽しめる娯楽映画を3本(閉館間際の頃は4本?)

ビデオの普及と横浜地区のロードショー体制の整備がされると

やはり足が遠のいてしまい・・・

子供や学生が離れ、天王町周辺の街も変わりはじめてくると

館の老朽化もあって、閉館になってしまったのでしょう。

 

最後のプログラムが「ロボコップ2」「稲村ジェーン」「3-4×10月」の3本。

 

たぶん、都内でも、こんな脈絡のない3本で上映してた映画館、なかったと思う。

うまく伝わらないかもしんないけど、愛のある映画館、だった。

 

それにしても・・・

横浜とか神奈川県の映画館のネーミングセンスって、個人的に好き。

かもめに、ライオン。

あと、横須賀とか、平塚とか、小田原とか・・・・

また、今度。