巻第四 飲茶 ならびに煙草
60 煙草の害
たばこは天正・慶長年間の近年になって、他国から渡ってきた。
淡婆姑は日本語ではなく、外国語である。近世の支那の書に多く書いてある。また烟草ともいう。朝鮮では南草という。
日本ではこれを莨とうとするのは誤りである。
煙草と莨とうとは別のものである。
煙草の性は毒である。
煙を飲んで目がまわり倒れることがある。
習慣になるとそれほどの害はなく、少しは益もあるといわれるが、損失が多い。
病気になることもある。また火災の心配もある。
習慣になると癖づき、むさぼって、ついにやめられなくなる。
こうなると、することが多くなって、家事手伝いの労働を増す。
最初から近づけないのがもっともよい。
貧しい者はそのために出費が多くなるので、いっそう貧しくなる。

淡婆姑

タバコ(煙草、スペイン語: tabaco、ポルトガル語: tabaco、学名:Nicotiana tabacum)