登録販売者試験─試験問題の作成に関する手引き(平成30年3月)

第3章 主な医薬品とその作用

作成日付:20/04/18
更新日付:21/11/20

 


Ⅴ排泄に関わる部位に作用する薬
1痔の薬
2)代表的な配合成分等、主な副作用
外用痔疾用薬

 
Ⅳ心臓などの器官や血液に作用する薬
Ⅴ排泄に関わる部位に作用する薬
1痔の薬
2)代表的な配合成分等、主な副作用

 

外用痔疾用薬

外用痔疾用薬は局所に適用されるものであるが、坐剤及び注入軟膏では、成分の一部が直腸粘膜から吸収されて循環血流中に入りやすく、全身的な影響を生じることがあるため、配合成分によっては注意を要する場合がある。
坐剤及び注入軟膏の用法に関連した注意に関する出題については、Ⅲ-4(その他の消化器官用薬)を参照して作成のこと

 

(e)止血成分
①アドレナリン作動成分

血管収縮作用による止血効果を期待して、

  • テトラヒドロゾリン塩酸塩
  • メチルエフェドリン塩酸塩
  • エフェドリン塩酸塩
  • ナファゾリン塩酸塩

等のアドレナリン作動成分が配合されていることがある。
 
 メチルエフェドリン塩酸塩が配合された坐剤及び注入軟膏については、交感神経系に対する刺激作用によって心臓血管系や肝臓でのエネルギー代謝等にも影響を生じることが考えられ、心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能障害の診断を受けた人では、症状を悪化させるおそれがあり、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされるべきである。
 
 高齢者では、心臓病や高血圧、糖尿病の基礎疾患がある場合が多く、また、一般的に心悸亢進や血圧上昇、血糖値上昇を招きやすいので、使用する前にその適否を十分考慮し、使用する場合にはそれらの初期症状等に常に留意する等、慎重な使用がなされることが重要である。

 

 

②収斂保護止血成分

粘膜表面に不溶性の膜を形成することによる、粘膜の保護・止血を目的として、

  • タンニン酸
  • 酸化亜鉛
  • 硫酸アルミニウムカリウム
  • 卵黄油

等が配合されている場合がある。

 タンニン酸については、ロートエキス・タンニン坐剤や複方ロートエキス・タンニン軟膏のように、鎮痛鎮痙作用を示すロートエキスと組み合わせて用いられることもある。
 ロートエキスが配合された坐剤及び注入軟膏における留意点に関する出題については、Ⅲ-3(胃腸鎮痛鎮痙薬)を参照して作成のこと。
 

 

NEXT⇒第3章Ⅴ排泄に関わる部位に作用する薬1痔の薬2)代表的な配合成分等、主な副作用外用痔疾用薬(f)殺菌消毒成分

 

【指定第2類医薬品】メンソレータムリシーナ軟膏A

商品紹介

○便をした後、痛い・ティッシュに血が・・・
○肛門のあたりがプクッと腫れて、痛みが・・・
☆肛門外側の切れ痔(裂肛)やいぼ痔(外痔核)などに
裂肛とは、便秘などによる硬い便で、肛門皮フが切れてしまった状態。切れた部分から細菌が入ると化膿したり、長期間裂肛を繰り返していると、肛内が狭くなってしまうことも。
外痔核とは、肛門外側がうっ血して腫れた状態です。肛門皮フは感覚神経が通っているので、痛みを感じ、出血することも。
こんな痔の症状を感じたら、がまんをせずに早めに治すことが大切です。

メンソレータムリシーナ軟膏Aは
「つらい痔の諸症状を効果的に治す」ことを目的に作られた痔のお薬。
○抑える→消炎成分が炎症を抑えます。
酢酸ヒドロコルチゾン 酸化亜鉛 l-メントール
はれ・ただれ等の炎症を抑えます

 

○鎮める→痛みを止める成分Wで配合! つらい痛みをしっかり鎮めます。
アミノ安息香酸エチル リドカイン
つらい痛みとかゆみをしっかり鎮めます

 

○改善する→傷ついた組織を修復し、ビタミンE誘導体が血流を促進。
いぼ痔の主な原因であるうっ血を改善します。

 

イソプロピルメチルフェノール:患部を殺菌し、細菌の感染を防ぎます
アラントイン:傷ついた組織を修復します
酢酸トコフェロール:血行を促進し、うっ血を改善します

◆ベタつかず、伸びがよいさらっとタイプの軟膏。
指先軽くスッと広がるので、傷んだ患部に負担をかけずに薬剤が肛門細部にまで行き渡ります。


◆患部に直接塗れる軟膏タイプ。


医薬品の販売について
●使用上の注意
■■してはいけないこと■■
(守らないと現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなる)
1.次の人は使用しないでください。
(1)患部が化膿している人
2.長期連用しないでください。

■■相談すること■■
1.次の人は使用前に医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください。
(1)医師の治療を受けている人
(2)妊婦または妊娠していると思われる人
(3)薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人


2.使用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに使用を
中止し、この説明書を持って医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください。
〔関係部位〕 〔症 状〕
皮 ふ : 発疹・発赤、かゆみ、はれ
そ の 他 : 刺激感、化膿


3.10日間位使用しても症状がよくならない場合は使用を中止し、この説明書を持
って医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください。

●効能・効果
きれ痔(さけ痔)・いぼ痔の痛み・かゆみ・はれ・出血・ただれの緩和及び消毒

●用法・用量
適量をとり、肛門部に塗布してください。なお、1日3回まで使用できます。

<用法・用量に関連する注意>
<1>用法・用量を厳守してください。
<2>小児に使用させる場合には、保護者の指導監督のもとに使用させてください。
<3>肛門部にのみ使用してください。

●成分・分量
100g中
〔有効成分〕 〔配合量〕
アミノ安息香酸エチル 2.0g
リドカイン 2.4g
酢酸ヒドロコルチゾン 0.5g
酸化亜鉛 10.0g
l-メントール 0.2g
イソプロピルメチルフェノール 0.1g
アラントイン 0.5g
酢酸トコフェロール(ビタミンE誘導体) 1.0g

添加物として、
マクロゴール、ワセリン、トウモロコシデンプン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、パラベン、エデト酸Naを含有する。