登録販売者試験─試験問題の作成に関する手引き(平成30年3月)

第3章 主な医薬品とその作用

作成日付:21/01/21
更新日付:21/07/15

 


Ⅱ呼吸器官に作用する薬
1咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)

 
Ⅱ呼吸器官に作用する薬

 

 

1咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)

1)咳や痰が生じる仕組み、鎮咳去痰薬の働き
気道に吸い込まれた埃や塵などの異物が気道粘膜の線毛運動によって排出されないとき、飲食物等が誤って気管に入ってしまったとき、又は、冷たい空気や刺激性のある蒸気などを吸い込んだときなど、それらを排除しようとして
反射的に咳が出る
このように咳は、気管や気管支に何らかの異変が起こったときに、その刺激が中枢神経系に伝わり、
延髄にある咳嗽中枢の働きによって引き起こされる反応である。
したがって、
咳はむやみに抑え込むべきではないが、長く続く咳は体力の消耗や睡眠不足をまねくなどの悪影響もある

呼吸器官に感染を起こしたときや、空気が汚れた環境で過ごしたり、タバコを吸いすぎたときなどには、
気道粘膜からの粘液分泌が増えるが、その粘液に気道に入り込んだ異物や粘膜上皮細胞の残骸などが混じってとなる。
が気道粘膜上に滞留すると呼吸の妨げとなるため、
反射的に咳が生じて痰を排除しようとする。
気道粘膜に炎症を生じたときにも咳が誘発され、また、炎症に伴って気管や気管支が収縮して喘息(息が切れて、喉がゼーゼーと鳴る状態)を生じることもある。

鎮咳去痰薬は、

  • 咳を鎮める
  • 痰の切れを良くする
  • 喘息症状を和らげる

ことを目的とする医薬品の総称である。
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、内用液剤、シロップ剤等のほか、口腔咽喉薬の目的を兼ねたトローチ剤やドロップ剤がある。

 


NEXT⇒第3章主な医薬品とその作用Ⅱ呼吸器官に作用する薬2)代表的な配合成分等、主な副作用

 

 

商品紹介

●タバコや排気ガスなどで、せき・たんが続く方のお薬です
●漢方製剤「清肺湯(せいはいとう)」が気管支粘膜の汚れを取り除きながら、せき・たんをやわらげます
●気管支の状態を正常に近づけ、呼吸をラクにしていきます
医薬品の販売について

●使用上の注意
■■してはいけないこと■■

■■相談すること■■
1.次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
(1)医師の治療を受けている人
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人
(3)胃腸の弱い人
(4)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
2.使用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること

関係部位/ 症 状
皮ふ /発疹・発赤、かゆみ

まれに下記の重篤な症状が起こることがある
その場合は直ちに医師の診療を受けること

症状の名称/ 症 状
間質性肺炎/階段を上がったり、少し無理をしたりすると息切れがする・息苦しくなる、空せき、発熱等がみられ、これらが急にあらわれたり、持続したりする

肝機能障害/発熱、かゆみ、発疹、黄だん(皮ふや白目が黄色くなる)、褐色尿、全身のだるさ、食欲不振等があらわれる

腸間膜静脈硬化症/長期服用により、腹痛、下痢、便秘、腹部膨満等が繰り返しあらわれる

3.1ヶ月位服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること

4.長期連用する場合には、医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること


●効能・効果
体力中等度で、せきが続き、たんが多くて切れにくいものの次の諸症:
たんの多く出るせき、気管支炎


●用法・用量
次の量を食前又は食間に水又はお湯で服用してください
年 齢 /1回量/服用回数
大人(15才以上)/1 包/1日2回
15才未満 /×服用しないこと

<用法・用量に関連する注意>
定められた用法・用量を厳守すること
●食間とは「食事と食事の間」を意味し、食後約2~3時間のことをいいます


●成分・分量
1日量(2包:6.0g)中 清肺湯エキス3.2g

<原生薬換算量>
オウゴン 1.0g キキョウ 1.0g ソウハクヒ 1.0g
キョウニン 1.0g サンシシ 1.0g テンモンドウ 1.0g
バイモ 1.0g チンピ 1.0g タイソウ 1.0g
チクジョ 1.0g ブクリョウ 1.5g トウキ 1.5g
バクモンドウ 1.5g ゴミシ 0.25g ショウキョウ 0.25g
カンゾウ 0.5gより抽出(添加物:デキストリンを含む)

添加物として、
ステアリン酸Mg、無水ケイ酸、l-メントール、プロピレングリコール、乳糖を含有する。

プロピレングリコールpropylene glycol:PG
保湿剤や乳化など様々な用途に使用され、食品や医薬品にも用いられる。工業的には酸化プロピレンの加水分解によって製造される。


無色無臭のやや粘稠な液体で、溶剤として数々のすぐれた特長をもった二価アルコールです。
湿潤作用、保潤作用、保存作用、乳化作用などを利用して、さまざまな用途に使用されています。

 

主な用途
樹脂の中間原料として用いられるほか、溶剤としての性質に優れ、さらに湿潤作用、保湿作用、保存作用、乳化作用、高沸点、低凝固点などの特長を活かして、食品、医薬品、化粧品、熱媒、冷媒、不凍液などに広く用いられています。