登録販売者試験─試験問題の作成に関する手引き(平成30年3月)

第3章 主な医薬品とその作用

作成日付:20/01/17
更新日付:21/07/05

 


Ⅰ 精神神経に作用する薬
5鎮暈薬(乗物酔い防止薬)
1)代表的な配合成分、主な副作用

 
Ⅰ 精神神経に作用する薬

5鎮暈薬(乗物酔い防止薬)

めまい(眩暈)は、体の平衡を感知して、保持する機能(平衡機能)に異常が生じて起こる症状であり、内耳にある平衡器官の障害や、中枢神経系の障害など、様々な要因により引き起こされる。
乗物酔い防止薬は、乗物酔い(
動揺病)による

  • めまい
  • 吐きけ
  • 頭痛
    を防止し、緩和することを目的とする医薬品である。

 

 

1)代表的な配合成分、主な副作用

 (g)その他

吐きけの防止に働くことを期待して、

  • ピリドキシン塩酸塩
  • ニコチン酸アミド
  • リボフラビン

等のビタミン成分が補助的に配合されている場合がある。
これら成分に関する出題については、ⅩⅢ(滋養強壮保健薬)を参照して作成のこと。
 

ニコチン酸アミド
  • ニコチン酸を補給する薬
  • ニコチン酸は水溶性ビタミンで、ビタミンB群の一つ。
  • 体の酸化還元反応にかかわる。
  • 作用は、皮膚や粘膜を正常にたもつ、血行促進作用
  • ニコチン酸のアミド*1である。
  • ナイアシンアミド、ニコチン酸アミドとも呼ばれる。
  • 欠乏症でペラグラ*2となる。
  • 外用薬の成分としてニキビの治療や、美容目的で化粧品に配合される。
     
▽ニコチン酸の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される疾患
  • 口角炎、口内炎、舌炎
  • 接触皮膚炎、急・慢性湿疹
  • 光線過敏性皮膚炎
  • メニエル症候群
  • 末梢循環障害(レイノー病、四肢冷感、凍瘡、凍傷)
  • 耳鳴、難聴
など。

*1アミド:アミンとカルボン酸から水が取れて縮合したものをアミドという。

*2ペラグラ:ペラグラ(イタリア語: Pellagra)は、代謝内分泌疾患の一つで、ナイアシン(ビタミンB3、ビタミンPP)欠乏症(栄養失調)である。
  • Pellagraはイタリア語で「皮膚の痛み」を意味する。
  • ナイアシンの不足状態は総じて他の栄養(亜鉛、鉄、ビタミンB2、B6)も不足している状態が多く、ペラグラを発症するリスクが高くなる。
  • ニコチン酸アミド及びビタミンB群の投与により治療する。

 


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商品紹介

トラベルミンRは、乗りもの酔い症状の予防及び緩和に有効な乗りもの酔い薬です。
トラベルミンRは、眠気が比較的少なく、酔ってからでも効く成分を配合しています。
バスや電車などで移動する間でも旅行を楽しんでいただけます。
トラベルミンRは、11歳以上のお子様から大人の方まで服用いただけます。

 

●使用上の注意
■■してはいけないこと■■
[守らないと現在の症状が悪化したり、副作用・事故が起こりやすくなる]

1.本剤を服用している間は、次のいずれの医薬品も使用しないでください。
他の乗物酔い薬、かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、胃腸鎮痛鎮痙薬、抗ヒスタミン剤を含有する内服薬等(鼻炎用内服薬、アレルギー用薬等)
2.服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください。
(眠気や目のかすみ、異常なまぶしさ等の症状があらわれることがあります。)

■■相談すること■■
1.次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。
(1)医師の治療を受けている人
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人
(3)高齢者
(4)薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人
(5)次の症状のある人
排尿困難
(6)次の診断を受けた人
緑内障、心臓病


2.服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この説明書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。

〔関係部位〕 〔症 状〕
皮 膚 : 発疹・発赤、かゆみ
精神神経系 : 頭痛、浮動感、不安定感
循環器 : 動悸
泌尿器 : 排尿困難
その他 : 顔のほてり、異常なまぶしさ

3.服用後、次の症状があらわれることがあるので、このような症状の持続又は増強が見られた場合には、服用を中止し、この説明書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。
口のかわき、便秘、眠気、目のかすみ

●効能・効果
乗物酔いによるめまい・吐き気・頭痛の予防及び緩和

●用法・用量
乗物酔いの予防には、乗車船30分前に、次の1回量を水またはお湯で服用してください。
〔 年 齢 〕 成人(15歳以上)
〔1 回 量 〕 1錠
〔 服用回数 〕 4時間以上の間隔をおいて1日2回まで

〔 年 齢 〕 11歳以上15歳未満
〔1 回 量 〕 1錠
〔 服用回数 〕 4時間以上の間隔をおいて1日2回まで

〔 年 齢 〕 11歳未満
〔1 回 量 〕 服用しないこと
〔 服用回数 〕 服用しないこと

なお、追加服用する場合は、1回量を4時間以上の間隔をおいて服用してください。
1日の服用回数は2回までとしてください。

<用法・用量に関連する注意>
小児(11歳以上15歳未満)に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。修学旅行などに持たせる場合には、事前に用法、用量など、服用方法をよく指導してください。


●成分・分量
1回量(11歳以上)1錠中に次の成分を含みます。
〔成 分〕 ジフェニドール塩酸塩
〔含 量〕 16.6mg
〔働 き〕 自律神経の異常な興奮をおさえます

〔成 分〕 スコポラミン臭化水素酸塩水和物
〔含 量〕 0.16mg
〔働 き〕 乗りものによって起こる感覚の混乱を軽減します

〔成 分〕 無水カフェイン
〔含 量〕 30.0mg
〔働 き〕 乗りものによって起こる感覚の混乱を予防します

〔成 分〕 ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)
〔含 量〕 5.0mg
〔働 き〕 吐き気やめまいに効果を示します

[添加物]
タルク、トウモロコシデンプン、乳糖、ヒドロキシプロピルセルロース、酸化チタン、三二酸化鉄、ステアリン酸Mg、セルロース、ヒプロメロース、ポビドン、マクロゴール